飛行神社に電電宮… 業界人が足を運ぶ京都の神社

パワースポットといえば、若い女性に人気の……とばかりは限りません。様々な「業界人」が注目する、ありがたい神様がおられます。

【登場人物】

東太郎(あずま・たろう、30) 中堅記者。千葉県出身。人生初の「関東脱出」で京都支社に転勤し半年。取材時もオフの日も突撃精神で挑むが、時に空回りも。高校時代、友人たちと宝くじを1枚ずつ購入。「当せん金が1万円以下なら当たり番号を持っていたヤツの総取り、1万円超なら皆で山分け」というルールだった。

竹屋町京子(たけやまち・きょうこ、25) 支社の最若手記者。地元出身、女性ならではの視線から、転勤族の「知識の穴」を埋める。ショッピングセンターの福引。1等から最下等までの賞品の並び方が、自分の「欲しい順」と異なる時があると気付いたのは最近のこと。

岩石巌(がんせき・いわお、50) 支社編集部門の部長。立場上、地元関係者との交遊も広く、支社で一番の「京都通」を自任する。2002年のサッカーW杯日韓大会。高倍率の抽選を突破して入場券を購入、イングランド・アルゼンチン戦で「生ベッカム」を見たのが自慢。

(登場人物はフィクションです)

「業界別」「御利益別」あれこれ

岩石部長 相変わらずのパワースポットブームだな。週末に洛北の鞍馬、貴船を歩いてきたが、結構なにぎわいだった。

竹屋町京子 鞍馬寺から貴船神社まで、山道ですが歩いて行ける距離です。源義経がまだ牛若丸だったころに天狗(てんぐ)と出会った場所、なんて伝説が残るところですね。

東太郎 路線バスを運行する京都バスの社章は、天狗の羽うちわがあしらわれています。バスの車体にも付いてますね。

部長 貴船神社は行って初めて知ったが、航海安全に御利益があるんだってな。奥宮(おくのみや)にある船形岩(ふながたいわ)というのがあった。

酒の神様、松尾大社の大鳥居。その右には大きなお神酒徳利(とっくり)が2つ並ぶ

京子 私も知りませんでした。

太郎 恋愛系パワースポットとしてしか見てないんじゃないの? 海運の関係者は出向くべきですね。

京子 業界の守り神というなら、やはり洛西の松尾大社じゃないですか。宝酒造や月桂冠、黄桜といった京都企業をはじめ、各地の酒造関係者がお参りする「お酒の神様」です。

部長 醸造、販売など各部署にそれぞれ年1回、お参りする企業もあるな。

飛行神社の鳥居はアルミ製。手前は大阪湾から引き揚げられたゼロ戦のエンジンとプロペラ

太郎 ユニークなところでは、飛行神社というのがあります。八幡市の石清水八幡宮に近い住宅街にあります。

部長 なぜまた、京都で飛行機なんだ?

太郎 二宮忠八氏が大正4年(1915年)に自宅に祠(ほこら)を構えたのが起こりです。ライト兄弟の成功を知って飛行機開発を断念したという、日本の航空機開発のさきがけと言われる人です。後に空の安全を願って自ら社主となりました。その生涯は吉村昭の小説「虹の翼」に描かれています。

京子 ということは、航空関係者がやって来るんでしょうか?

太郎 パイロットや整備士らだけでなく、三菱重工業をはじめロケット関係も多いそうです。JAXA(宇宙航空研究開発機構)も小惑星探査機「はやぶさ」の帰還時にはお世話になったそうです。

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