検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

涙形にハート形… 丸くないトマト続々、その味は

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日本人が野菜の中で最もお金を使うトマト。健康志向などを受けて種類が急増しており、スーパーやデパ地下に行くと様々な品種が並ぶ。最近特に目立つのが、丸くないトマトだ。加熱調理用として見かけるようになった長い品種に加え、涙の形やハートの形などユニークな形状も登場している。どんな味がするのだろうか。

年末の買い物客でにぎわう京王百貨店新宿店の地下食品売り場。青果店「築地定松」の店頭に新しいトマトがお目見えした。高知県からやってきたミニトマトの新品種「スウィーティア」だ。

「乙女の涙」 まるでゼリービーンズのよう

最大の特徴はその形状。別名「乙女の涙」。ミニトマトの多くが、ほぼ球体に近い形をしたものであるのに対し、スウィーティアは、細長く真ん中がへこんでおり、涙のような形をしている。

形だけではない。フルーツのような甘さや食感も際立つ。(1)果実中にゼリー分が少なく、皮も肉厚なためプリッとした食感を持つ(2)糖度が9~12度と高く甘い(通常は5.8度くらい)(3)リコピンも多く含む(通常の約1.5倍、100グラム中15ミリグラム)。

農薬や自動車向け素材を手掛ける井上石灰工業(高知県南国市)と育種家が共同で開発した。これまで高知県内の地元スーパーを中心に販売していた。京王百貨店新宿店で「首都圏デビュー」を果たした。1袋100グラム入り399円で販売している。

「普通のミニトマトよりも甘く、まるで(ソラマメ形をした砂糖菓子)ゼリービーンズのよう」。定松の百貨店小売部門営業推進店長、日野次郎さんはスウィーティアの味をこう評価する。同店では過去、リンゴの風味がするバナナの新品種「バナップル」を販売し、口コミによって大ヒットさせた経験を持つ。ユニークな形とともにおいしさも兼ね備えたスウィーティアは第2のバナップルになる可能性は高いと考えている。

ハート形やピーマン形、楕円形も

スウィーティアを扱う業務用青果卸業の持丸食品(東京・大田)の持丸勝志社長も「果実内にゼリー分が少なく肉厚であるため、かんだときに種などが飛び散らず食べやすい。ミニトマトが持つ欠点もカバーしている」と説明する。

記者も実際に食べてみた。事前にトマトと教えられなければ「トウガラシ」と勘違いしてしまうようなユニークな外観だ。苦味や酸味などを予想しながらゆっくりと口に運んだ瞬間、甘みが口の中に広がる意外感。乱暴にかんでも種も飛び散らないので、スナック感覚で楽しむこともできそう。

スウィーティアにとどまらない。ユニークな形をしたトマトが最近、相次いで登場している。その代表のひとつが、ハートの形をしたミニトマトの「トマトベリー」。トキタ種苗(さいたま市)が2006年に開発した新種で全国で100軒を超す農家が栽培、欧州や北米などにも輸出されている。食べてみると、普通のミニトマトに比べ甘く、くせのなく、後味がすっきり。トマト特有のくさみがないのも特徴だ。

ミニトマトのトップブランドの一つ、ルビーのような赤い色の「アメーラ・ルビンズ」は弾むような歯ごたえで、かめば適度な酸味とやさしい甘みが広がる。金色の「アメーラ・ルビンズゴールド」も同様だ。形だけでなく、従来と違った色の品種も増えている。

南アメリカの原産種は1センチの丸いミニトマト

トマトは南米のペルーやエクアドルなどのアンデス高原が原産地。原生種の一つに、現在のミニトマトに近い1センチほどのたくさんのちいさな実をつけたチェリータイプトマトなどがある。

この野生種トマトが、大航海時代に欧州に渡り、アジアや中国を経て、初めて日本に入ってきたのが17世紀の江戸時代だ。当初は観賞用だったが、その後、香辛料として使われるようになり、昭和に入って品種改良を重ね、現在のように生で食べられるようになった。

日本の家庭ではかつては大玉トマトが一般的だったが、最近では大玉、中玉、ミニトマトなど大小様々な種類が並ぶ。カゴメによると、同社の「トマト鍋」がヒットした09年の少し前ぐらいから、家庭でのトマトの食べ方が変化。「様々な料理やスイーツにも使われるようになり、ユニークな形の品種も増えてきた」(広報グループ)。

トマトは単価が高く「もうかる野菜」

品種の増加ぶりは、国への登録数を見てもよく分かる。野菜の品種登録を担当する農林水産省によると、現在品種登録されているトマトは193種、出願が公表されているのは36種。出願者にはカゴメ、タキイ種苗など大手企業や自治体の名前が並ぶ。「ハイブリッド品種を開発している大手企業や、外国の品種を登録する日本の方など、毎年コンスタントに登録の出願がある品種の一つ」(同省)という。

トマトの品種開発競争が活発になっている背景には、生産者にとって"もうかる野菜"であることも大きい。東京都中央卸売市場によると、トマトの12年の取扱金額は326億7800万円で野菜では3年連続トップ。一方、同年の取扱数量では6位にすぎず、それだけ単価の高い野菜といえる。

1世帯の購入額は年6000円超、2位キュウリの倍

トマトのもともとの旬の時期は6~8月の夏。ハウス栽培の普及に伴い、通年野菜となっている。カゴメによると、日本人の1世帯あたりのトマトの購入額は年間6000円超。2位キュウリの同3000円の2倍と、野菜の中でも断トツの人気だ。

ただ、1人当たりの年間摂取量は世界平均が20キロであるのに対し、「日本は8.3キロ。世界には年間100キロを超している国もある。まだまだ消費量は増える可能性は高い」(カゴメ広報グループ)

12年2月に京大の研究チームが「トマトにメタボリック症候群対策に期待できる含有成分がある」と報道された後、にわかにトマトブームが起きた。ピークは越えたものの、トマト人気はまだ続いている。品種開発競争が激化するなか、新たな品種が次々と現れる可能性は高く、当面、目が離せそうにない。

(電子整理部 竹内太郎)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

企業:

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_