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全国で発症「マダニ感染症」 治療薬なく、致死率高い

2014/6/1

日経ヘルス

2013年、マダニにかまれて発症する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による死亡者が相次いだ。被害は西日本だけだったが、2014年3月、厚生労働省研究班の調査で、SFTSウイルスを保有するマダニは全国に広がっていることが判明。被害を防ぐポイントを紹介しよう。

「SFTSは日本では昨年初めて確認された新規ウイルス感染症で、症状は発熱、全身倦怠感、下痢、嘔吐などほかの感染症と同じ。実はマダニにかまれてもSFTS発症はまれだが、まだ治療薬がないので致死率が高いのが怖いところ。ダニの活動が活発になる春から秋は特に要注意」と国立感染症研究所ウイルス第一部の西條政幸部長(表1)。

表1 2013年1年間のSFTS患者の報告数。14年は1~3月も1人ずつ感染者が出ている。マダニは春から秋に活動が活発化。野外活動をする人が多い時期なので感染者も増える(データ:国立感染症研究所ホームページより)

2013年は西日本で40~90代まで40人のSFTS患者が報告され、そのうち13人が死亡した。インフルエンザのような飛沫感染ではなく、マダニにかまれなければ発症はしない。ただ全国にウイルス保有マダニが広がっており、北海道や東日本でも油断はできない。

■SFTSの原因になるマダニ

日本には47種類のマダニが生息しているが、ヒトにSFTSウイルスを感染させるのはタカサゴキララマダニ(写真1)とフタトゲチマダニ(写真2)の2種類と考えられる。成ダニは4~5ミリで血を吸うと1センチくらいになる。

写真1 タカサゴキララマダニ(写真提供:国立感染症研究所)
写真2 フタトゲチマダニ(写真提供:国立感染症研究所)

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■マダニにかまれて発症するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」とは

(写真提供:国立感染症研究所)

マダニにかまれたことで発症するウイルス感染症。2011年に中国で発見され、日本では13年1月に初めてSFTS患者が確認された。血液を固める血小板と白血球が低下し、死に至ることも。主な自覚症状は発熱、全身倦怠感、下痢、嘔吐など。現時点ではワクチンも治療薬もなく致死率が高い。ただし、飛沫感染、空気感染はなくSFTS患者のそばに寄っても感染はしない。

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