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虫嫌いのママも納得 昆虫と仲良く暮らす秘訣

2013/9/25

カブトムシのエサといえば、かつては脱脂綿に含ませた砂糖水やスイカの皮などが一般的だったが、これだとアリやハエがたかり、独特のふん尿の臭いがする。しかし最近は栄養バランスも考えた専用の「ポーションゼリー」なるエサも販売されている。手を汚すこともなくエサを与えられる。昆虫のお腹の中から消臭する効果をうたったゼリーや、昆虫に直接振りかけて付着したダニだけ殺す殺菌剤も登場。ダニが嫌がる成分とカブトムシが嫌がる成分は異なるため、カブトムシには害を与えないという。

カブトムシに直接振りかけて付着したダニだけを殺す専用ダニ取り剤
手を汚すことなくエサを与えられるカブトムシ用ポーションゼリー

角田さんによると、1匹3万円前後もするヘラクレスオオカブトを気軽に購入する親子連れも少なくない。同店の常連客でカブトムシ飼育歴17年の男性はヘラクレスオオカブトを家で飼育。「子どもの頃から好きだったヘラクレスを育てることができてうれしい」と満足そう。自分の息子は当初は虫好きでなかったが、最近では友達にも自慢しているそうだ。妻は大の虫嫌いだが、オガクズやポーションゼリーなどを定期的にきちんと交換するなどしているため、「全く苦情はない」という。

■極端な虫嫌い、子どもに悪影響も?

人間総合科学大学の藤田紘一郎教授

一口に虫嫌いといっても、「虫そのものが嫌いなのではなく、臭いや汚れが嫌い」という人が案外多いのかもしれない。ただ、40年以上免疫学を研究し続けている人間総合科学大学の藤田紘一郎教授は「母親の過剰な虫嫌いは、子どもの身体や精神に悪影響を与えかねない」と警鐘を鳴らす。

清潔さを追求するあまり、異物を排除しようとする傾向が強まる危険があるとともに、本来は人間の個性の一つでもある臭いを必要以上に嫌うことが、個性や情熱などの感性を失わせる結果につながりかねないとも指摘。「昆虫嫌いも『過剰な清潔志向』の延長線上にあるのではないか」と藤田教授は分析する。

免疫力に影響を及ぼす可能性もある。免疫力をつけるのに大きな役割を果たす腸内細菌の組成パターンは生後1年までに決まるとされ、赤ちゃんは身の回りにある物をなめたりすることで必要な細菌を体内に取り込んでいる。だが「生活環境をあまり清潔にし過ぎると、赤ちゃんが細菌を体内に取り入れることができなくなってしまう」(藤田教授)という。

「虫好き」と「清潔好き」の奇妙な共存は、人間と虫のかかわり方の新たな形を映しているのかもしれない。

(電子報道部 松本千恵)

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