月経前のイライラ・うつうつ――心の不調に対処する日経ヘルス

理由もなくイライラする、やる気や集中力が低下する、何だか無性に悲しい……。女性が月経前になるとよく経験する“心の嵐”。あなたも困っていないだろうか。上手に対処する方法を専門家に聞いた。

ホルモンが作用

月経前のイライラなどは「月経前症候群(PMS)」と呼ばれる。月経の10日~1週間ほど前から症状が表れ始め、月経が始まるとウソのようにおさまる。心の不調だけでなく、むくみやだるさ、乳房の張り、眠気、過食、便秘、肌荒れといった体の症状も伴うため、生活にも支障が出やすい。

最近は、PMSの中でも心の症状が特に重いタイプを「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ぶこともある。それだけ月経前の心の不調に悩んでいる女性が多いということだろう。

では、なぜ心が揺れるのか。理由は女性ホルモンだ。月経周期に伴って変動する女性ホルモンが、脳にも影響を及ぼし、その結果、イライラやうつうつなどの厄介な感情が生まれる。

「卵巣から分泌される女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあるが、心の波に深く関わっているのは、エストロゲンの方だ」と、女性ホルモンと脳の関係に詳しい田中クリニック横浜公園(横浜市)の田中冨久子院長は話す。「排卵後はプロゲステロンがエストロゲンの働きを抑え、月経前になるとエストロゲンそのものも減少するため、脳の働きが低下する」という。

右のグラフで示した通り、そもそもエストロゲンは、月経周期に伴って増えたり、減ったりを繰り返している。月経が終わると排卵に向けて分泌量が増加、排卵直前にピークを迎えると、その後は減少して妊娠しなければ次の月経に向けてさらに低下する。

つまり、月経の始まる1週間ほど前はエストロゲンが減少する時期で、心の不調もこの頃から表れ出すというわけだ。

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