ライフコラム

子どもの学び

西大和学園 泥臭い試行錯誤力と発想力のバランスを試す 入試問題でわかる 名門中学が求める子ども(10)

2014/6/24

今回紹介するのは奈良にある西大和学園中学校・高等学校(以下、西大和)。創立は1985年と新しいが、2014年には京大に74人、東大に22人、国公立大医学部に43人の合格者を出しており、今や日本屈指の進学校といっていい存在。校訓は「探究」「誠実」「気迫」。磨かれた「知」と豊かな人間性を併せ持ち、世界を舞台に活躍するリーダーを育成することを目指している。高校は共学、中学は男子校であったが、2014年から中学も共学化した。

■男子は寮を併設、東京、東海、岡山、広島、福岡で入試

西大和学園中学校・高等学校

西大和の男子向け2014年度の中学入試は1月19日の14時から行われた。より多くの受験生を集めるために、午前入試と並行して午後入試を行う学校は珍しくないが、午後入試1回というのは珍しい。また、男子については寮を併設し、全国で生徒を募集しているため、入試は東京、東海、岡山、広島、福岡でも行われる。中学校女子中等部の入試については1月19日10時から行われた。

「どの教科についても、中学入試の問題を作る先生方には、次の3点をお願いしています。まず、出題形式は、本校のこれまでの入学試験問題の形式に準じること。つまり大問の数や試験時間などは毎年踏襲する。次に、問題の構成は、基礎的な事柄から発展的な事項へと掘り下げていくように工夫すること。こうすることで、受験生がどこまではたどり着けたのか、受験生の努力が正確な履歴として答案用紙に反映されます。そして、平均点を満点の65%前後になるようにすること。あまり難しすぎても、簡単すぎても、差がつかず競争試験の機能を果たすことができません。

いずれにしても、本校に入りたいと努力してきた受験生が十分に力を発揮し、その努力が報われるようにと考えています。」と言うのは岡田清弘副校長。全国から約2000人もの受験生が集まる西大和。フェアな中学受験が信条だ。

■単純な問題から徐々に複雑にステップアップ

さっそく2014年度算数の大問3を見てみよう。

図1のようなAB=AC、面積が4平方センチメートルの直角二等辺三角形について考えます。

図2の点Dは、図1の直角二等辺三角形の辺ACを2等分する点(辺ACのまん中の点)です。この点Dから辺ABに平行な直線を引き、直角二等辺三角形ABCを図2のように2つに分けます。

図3の点Dは、図1の直角二等辺三角形の辺ACを2等分する点で、点Eは、辺ADの長さを2等分する点であり、点Fは、辺DCの長さを2等分する点です。(点D、点E、点Fのような点を辺ACを4等分する点といいます。)この点D、点E、点Fからそれぞれ辺ABに平行な直線を引き、直角二等辺三角形ABCを図3のように4つに分けます。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 辺BCの長さを求めなさい。

中学校以上の数学を知っていると、平方根や三平方の定理を使って解きたくなってしまう問題だ。「私は中学受験を経験していません。算数の問題を、つい中学校で学ぶ数学を使って解く癖があるのですが、数学と算数は違うのですよね。これを平方根も三平方の定理も使わずに解くというのだから、中学受験生の頭は柔らかいと思いますね。中学受験を経験している場合と、そうでない場合では、こういう問題に対する取り組み姿勢がまるで違うのは面白いですよね」と岡田副校長は笑う。中学以降の数学なら、目的に合わせた公式なり定理などを用いて、正解に直線的に進むことができるが、中学入試問題においては、基本的な四則計算や図形の知識のみを最大限に利用して工夫して解く力が試される。

さて、数学的な知識を使わずにこれを解くにはどうしたらいいか。

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