N
ライフコラム
子どもの学び

2014/6/24

子どもの学び

算数の入試問題で試したい力として、岡田副校長は次の4点を挙げる。

・計算力(正確さ、速さ、処理方法の的確さなど)
・基本的な文章題の処理力
・図形に関する知識や洞察力
・具体的に例を考え、試行をくり返すことで、問題の根幹となる規則性や原理を導き、正答に繋げる能力

4つめに挙げられた観点が、まさに(2)から(4)の問題で試されていた力である。何重にも重なる相似形の三角形の面積比を一つずつ計算して、それが等差数列になることに気付かなければならない。その等差数列を実際に4つのグループに分けてみて、できた新しい等差数列の規則性にも気付かなければならなかった。

泥臭い作業をくり返す中から、規則性を見つける。一見理科実験のようだが、数学的思考においても避けては通れないプロセスだ。そして、一度規則性を見付けたら、そこから効率的に一気に正解にたどり着く要領の良さも、西大和は受験生に求めている。「西大和の算数の入試問題は、約3分の2が典型的な基本問題、約3分の1が試行錯誤しながら解く問題で構成されています」と岡田副校長。そしてその3分の1が合否を分ける。発想力だけに頼るわけでなく、かといって、試行錯誤の力業だけに頼るでもなく、両方のバランスを兼ね備えた生徒を、西大和は求めているのだ。

「これから、社会のグローバル化は加速し、あらゆる分野の規制緩和が進み、益々自由な世の中になっていく。自由になればなるほど何が問題かさえ見えにくくなる。先人が残したお手本や成功例が、問題解決にそのままあてはまらない時代になっていく。次代を担う生徒たちにとって、自ら課題を見付けて、解決していく力は必須です。入試問題に取り組むときの混沌の中でも、悪戦苦闘しながら自ら手を動かし、何らかの手がかりや法則性を見出し、ツールとして持ち合わせている知識をフル活用して、目標を達成できる人間を育てていきたい。それが本校の教育目標であり、入試問題に込められた思いです」と岡田副校長。

DATA

西大和学園中学校・高等学校
http://www.nishiyamato.ed.jp/
・募集定員 男子180人、女子40人(高校から男女100人)
・入試日(平成26年度入試) 1月19日(本校)、1月13日(東京・東海・岡山・広島・福岡)
・所在地 奈良県河合町
・JR大和路線「王寺」駅から徒歩約18分、バス約5分
おおたとしまさ
 育児・教育ジャーナリスト。心理カウンセラーの資格、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。著書に『中学受験という選択』(日本経済新聞出版社)、『生きる力ってなんですか?』(日経BP社)、『中学受験 名門中学の子どもたちは学校で何を学んでいるのか』(ダイヤモンド社)などがある。

(構成 日経キッズプラス)

日経ホームマガジン 中学受験する?公立に行く? (日経ホームマガジン 日経Kids+)

著者:
出版:日経BP社
価格:920円(税込み)


生きる力ってなんですか?

著者:おおたとしまさ
出版:日経BP社
価格:1404円(税込み)


注目記事