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ライフコラム
子どもの学び

2014/6/24

子どもの学び

(4) 図1の直角二等辺三角形の辺ACを32等分し、それらの各点から辺ABに平行な直線を引き、直角二等辺三角形ABCを分け、左から赤色、青色、緑色、黄色の順にくり返し色を付けたとき、次の面積の比を最も簡単な整数の比で表しなさい。

(赤色部分の全体の面積):(青色部分の全体の面積):(緑色部分の全体の面積):(黄色部分の全体の面積)

さらに細かく三角形を分割する。しかし試しに作図してみようとしても、32分割ともなると、もはや図に表すことはほぼ不可能。頭の中で概念的に処理するしかない。このとき、(2)、(3)の結果の中に、ある規則性があることに気付いてほしいというのが出題者の意図だ。

(2)では分割された2つの領域の面積比が1:3であることがわかった。(3)を解く過程では分割された4つの領域の面積比が1:3:5:7であることがわかっている。この問題の条件に沿って直角二等辺三角形を分割していけば、分割された領域の面積比は1:3:5:7:9:11:13……というように、等差数列を成すのだ。このことに気付くことがこの問題のポイントだ。

この問題がいきなり(4)だけを問う問題だったらと考えてみてほしい。いきなり正解にたどり着く近道はない。受験生たちは、一番右の一番小さな三角形の面積を1とおき、それと相似を成す三角形の面積比を一つ一つ求めていくことになる。泥臭い作業だ。その中で面積比が等差数列になっていることに気付くはずである。まさに(2)、(3)と同じプロセスを踏まなければならない。つまりこの問題こそが大問3の本丸なのだ。

西大和の入試問題の解答欄には式を書く欄はない。試行錯誤のプロセスを見ることができない代わりに、部分点を与える意味で(2)、(3)の小問を用意しているのだ。正解に近づくための試行錯誤をするように、親切に誘導してくれているともいえる。

手を動かしながら等差数列の和を求める

1から始まり2ずつ増えていく等差数列の32番目の数字は、1+2×(32-1)=63。つまり、32分割された領域の面積比は、1:3:5:7:9:11:13……55:57:59:61:63と表せる。

ここまでくると解けてしまったような気になるのだが、正解にたどり着くにはまだ障壁が残っている。上記の等差数列を赤、青、緑、黄の4つのグループごとに合計しなければならない。どう計算すればいいのか。32個の数字を実際に書き出して、4つの色に分けてそれぞれ足せば答えは出せるということはわかる。しかし悠長にそんなことをしている時間はなさそうだ。等差数列なのだから、4つの色の面積比にも規則性はあるはず。

私はここで間違えた。63から減っていく等差数列で、4つおきに数字を拾えばいいのだから、63+59+55+……となっていくだろうと早とちりしてしまったのだ。実際は63からスタートして、2ずつ減っていく等差数列の数字を4つおきに拾っていかなければならない。ということは……と頭の中だけで考えていてもこんがらがるばかり。頭を抱える私に、「こういうときは実際に手を動かしてみるほうが早い」と岡田副校長。

たとえば、一番左、つまり一番面積が大きい赤の面積比を実際に合計していくと、63+55+47……と63から8ずつ減っていく等差数列になっていることがわかる。ここまでわかれば中学受験生ならお手のもの。数列の最初の数と最後の数の和を、数列に並ぶ数字の個数に掛け、2で割れば、等差数列の和は出る。

(63+7)×8÷2=280

同様に、青の場合も手を動かしてみると、61から8ずつ減っていく等差数列の和を求めればいいことがわかる。

(61+5)×8÷2=264

同様に、緑が248、黄が232と出る。

よって、赤:青:緑:黄=280:264:248:232=35:33:31:29が答え。

(2)、(3)をヒントに、面積比が等差数列を成すことに気付くことが一つ目のポイント。ややトリッキーな等差数列の和を、手を動かしながら正確に求めるのが次のポイント。手を動かすべきところでは手を動かし、規則性に気付くべきところでは気付き、一気に正解に近づく。それができないと、(4)の正解はおぼつかない。

受験生たちの正答率もここでガクリと下がる。47%であった。つまりここが合否の分かれ目になる。

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