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米アカデミー賞 日本代表はなぜ「舟を編む」なのか

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

日本映画製作者連盟(映連)は2013年9月5日、第86回米アカデミー賞最優秀外国語映画賞(アカデミー外国語賞)の日本代表作品を発表した。石井裕也監督の「舟を編む」。これが話題を呼んでいる。最有力候補は、5月に行われたカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞するなど、既に世界的に評価が高かった是枝裕和監督の「そして父になる」と目されていたからだ。

アカデミー外国語賞への出品作品は、米映画芸術科学アカデミーから映連が、日本映画1本を選考し出品する依頼を受け、その規約に沿って外部委員()による選考会を行い、作品を決定している。選考作品は、映画配給会社などが応募。

「提出には英語字幕が必要。公開期間も定められています。映連加盟かどうかは関係なく、平等な形で告知します」(映連)

今年の選考委員は7人。映画評論家の品田雄吉氏、脚本家の石森史郎氏、映画祭ディレクターの大竹洋子氏、映画プロデューサーの角谷優氏、映画ジャーナリストの野島孝一氏、撮影監督の高間賢治氏、映画監督の平山秀幸氏が名を連ねる。

落選続きの日本を変えた「おくりびと」の快挙

応募作は、出品側の要望で非公開だが、今年は15本集まった。例年は25~30本というから、少なめだ。これには、「『そして父~』という有力な対抗馬がある以上、当確する可能性がないのに出す必要はない、という判断が働いたのかも」(業界関係者)という声も。

応募作全てを選考委員が視聴したのち、会議室に全員がそろって議論の上、選出される。

「昔は映画評論家ばかりだったが、今は監督や脚本家などメンバーは職種別で、各自がプロの視点で映画を見て、自由闊達(かったつ)に意見を出している」とは、代表を務める映画評論家の品田雄吉氏。「映連は大手映画会社が中心に構成されているが、作品や配給会社の大小、ましてや"お願い"などありえない。それは昨年、ヤン・ヨンヒ監督が自身の体験を基に描いたスターサンズ配給『かぞくのくに』が選ばれたことでも明らか」(同氏)。

アカデミー賞への日本代表の出品は1951年、黒沢明監督の「羅生門」に始まった。56年、外国語映画賞が設立。ノミネートもたびたびあったが、82年「泥の河」を最後に、04年「たそがれ清兵衛」まで落選が30年余も続いた。国民から存在すらも忘れられつつあったなか、風向きが変わったのが09年、「おくりびと」の外国語映画賞受賞だ。初めての快挙に、新聞は一面、テレビでも連日報道された。

「舟を編む」は「おくりびと」との類似点が多い

今回の「舟を編む」は、この「おくりびと」に類似点が多いという。

「『おくりびと』は、お弔(とむら)いの方法(納棺)が日本独自の文化だったのがよかったのだと思う。一方で、お葬式やエンバーミング(遺体保存)はどの国にもあり、共感ポイントもある。この両面を持ち合わせていたから、アカデミーを獲れたのではないか。『舟を編む』も同様のことが言える。辞書の編さんは万国共通の職業だが、日本というのは特別。字引が世界の入り口となり、日本語で独自の世界が見せられるという作品のあり方が、『おくりびと』に近い」(品田氏)

今回の選考委員の7人中6人が、「おくりびと」のときのメンバー。11年には「告白」がノミネート手前の9本に残るなど、好成績が続いている。

「議論を詰めた後での投票で、全員の合意で決まるわけではない。世間でも、賛否両論があって当然だと思う。ただ、選ばれるのは1本だけ。打算も政治もなく、アカデミーに見せたいと思える日本の作品を選んできたが、近年結果にもつながっている」(同氏)

では、アカデミー賞を獲るまでには、どんなステップがあるのか。「作品をアカデミー会員にアピールするには、まず、北米で配給会社がつくかが重要」とは、海外担当の談。PR面で協力を仰げるからだ。既に「そして父~」は北米配給が決まっていた。また、ノミネートに持っていくには、試写を何度も回し広告を打つなど、お金がかかる。「会員の多くは、外国語映画に詳しいわけではない。過去の実績や著名人、例えば宮崎駿だから投票するというケースもありうる」(業界関係者)。日本は、経産省や文科省といった国からの支援はなく、製作委員会が担い、物量的に難しい面もあるのだとか。

今回の取材で、代表の選考基準や選考過程が明らかになり、さらには日本のエンターテインメント作品の海外進出における様々な課題も浮き彫りとなった。こうしたなか、「舟を編む」が、出品76作からノミネート5作に残れるかどうかが気になるところ。2014年1月16日の発表を待ちたい。

(日経エンタテインメント! 平島綾子)

[日経エンタテインメント!2013年12月号の記事を基に再構成]

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