「理想のイクメン像」が夫婦を不幸にする教育ジャーナリスト おおたとしまさ

「子育てしない男性は、父親とは呼ばない」といった強迫めいた意味ではなく、せっかく親になれたのなら、育児に積極的に関わることは、男性にも強く、おすすめしたいところです。

(写真:鈴木愛子)

一方で、イクメンという言葉が流行りだしたころから懸念していたことがありました。

「グローバル人材」しかり、「ブラック企業」しかり、新しい言葉が生まれると、いろいろな概念が付加されて、言葉が一人歩きすることがあります。その過程において、さまざまなミス・コミュニケーションも生じるだろうと思ったのです。そして実際、そうなりました。

同じ言葉でも、発する側と受け取る側で、捉える意味が違ったりします。こと「イクメン」に関しては、理想のイクメン像を求める女性側と、どうせなら自分らしい子育てをしたいと思う男性側との間で、齟齬(そご)が生まれているように思います。

女性誌を中心に描かれていた「理想のイクメン像」、これを少し極端にまとめると、以下のようになります。

「バリバリ仕事をして、しっかり稼いできてくれるけど、家には早く帰ってきてくれて、家事も育児も進んでやってくれる。

自分の愚痴はもらさずに、妻の愚痴には何時間でもつきあってくれる。子供とたくさん遊んでくれるけど、妻への愛情表現も欠かさない。

ときには子供をビシッと叱れるけど、妻のことは絶対に非難しない。

適度にオシャレで、かっこいいけど、ママ以外の女性には見向きもしない……」

そんな人がいたら、私が結婚したいくらいです!

いるわけありません!

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