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定年世代 奮闘記

生態から雑学まで、クマへの関心 一段と 熟年クマガール雑記

2012/7/28

体長2メートルを超すホッキョクグマは、地上最大の肉食動物だ。その堂々たる姿を雪原で見てみたいと、4年あまり前、カナダへ出かけたことがある。現在、地球上にいる8種のクマのうち、国際自然保護連合(IUCN)がレッドリストで絶滅に瀕している種に挙げているのは、このホッキョクグマを含む6種。地球温暖化の「犠牲者」として映画やテレビのドキュメンタリー番組などにもたびたび登場する様子を、ぜひこの目で確認したくなった。

■港湾整備や資源開発の影響が気になる

海岸近くの雪原で海に氷が張る日を待つホッキョクグマ(カナダ・チャーチル)=写真 中村豊

カナダ中部のハドソン湾沿いにある小さな町チャーチルは、ホッキョクグマ観光の聖地ともいえる特異な場所だ。北極圏よりやや南とはいえ、付近は湾内で最も早く氷が張るため、毎年10~11月初めには腹ペコのクマたちが大勢集まる。お目当ては氷の下に潜むアザラシで、氷が張って、狩りに出発できる日を今か今かと待ち焦がれるのだ。

そのスタンバイ中のクマたちを、観光客はバギー車に乗って観察する。悠然と雪原を歩く姿が見えると、大きな歓声が上がり、親子連れが現れれば、カメラのシャッター音が絶え間なく響く。2頭がレスリングのようにじゃれ合う姿は、狩りに備えたウォーミングアップらしい。

この時期、人口1000人弱の町チャーチルには、1万数千人が訪れるそうだ。著名な動物写真家の中にも、この地を撮影拠点とする人が多い。あまりの盛況ぶりに、クマが人間に興味を持ちすぎるなど、観光が及ぼす影響を憂慮する声も出始めた。

ホッキョクグマの出没に注意を促す標識も(カナダ・チャーチル)=写真 中村豊

そのチャーチルにとっての死活問題が、温暖化による海氷の縮小だ。アザラシが捕れなくなってクマの数が減れば、町は商売あがったりとなる。だが、中にはまったく別の「朗報」を伝える外国メディアも現れた。もし氷が解けて北極海航路が開かれると、この町が北米の有力なハブ港になるかもしれないというのだ。

事実とすれば、港湾整備に向けた激しい掘削音などが、ただでさえエサ不足をきたしているクマの繁殖率をさらに下げたりする恐れはないのだろうか。航路や資源の開発が生き物の体や暮らしに及ぼす影響の研究となると、素人の私には手の出しようもない。ただ、開発と生態系の保全を巡る住民たちの意識については機会があれば探ってみたいと、無謀にも考えたりする。

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