ライフコラム

子どもの学び

5~6歳から始める 共働き家庭の中学受験準備

2013/8/22

首都圏では6~7人に1人が挑戦している中学受験。忙しい共働き家庭でも、もはや珍しいことではなくなっている。中学受験の現状を踏まえたうえで、失敗しないための受験に向けての取り組みを、2回にわたって紹介する。

一昔前は、共働き家庭の中学受験は難しいとされていた。塾の送迎や宿題のチェックなど、親の負担も大きいためだ。しかし近年、その様相は一変した。「当塾では5年ほど前から、専業主婦世帯よりも共働き世帯の占める割合が多くなりました。説明会なども父親の参加が増えています」と語るのは、中学受験のエキスパートで、「お母さんの勉強室」「花マル笑子塾」を主宰する吉本笑子さんだ。

■「私立中学受験ブーム」の終焉

その要因として、首都圏では中学受験が定着したことが挙げられる。公立校への不信から私立志向が進み、好景気と相まって2007年には受験者数がピークを迎えた(図1)。リーマンショック後、「私立中学受験ブーム」は去ったものの、難関校や上位私立大付属校などは依然として人気が高く、特色ある教育内容や卒業生の進学実績などから「公立中高一貫校ブーム」とも言えるムーブメントも起きている(図2)。そのような状況から、「弁当を持参しなくてもよかったり、自宅学習の負担を減らしたりするような、共働き家庭に配慮した対応をする塾も増えています」と教育ジャーナリストの杉山由美子さんは指摘する。

図1 2月1日は東京、神奈川の中学受験解禁日。東京、神奈川のほとんどの受験生が、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)では9割以上がいずれかの中学校を受験する。2013年2月1日の私立中学受験者数は3万7006人で、受験比率は12.5%だった。2007年の4万3716人をピークに受験者数、受験比率ともに減少し続けている。その要因としては、2008年のリーマン・ショック後の景気低迷の影響が大きく、公立中高一貫校の人気の高さからもうかがえる(首都圏の公立中高一貫校、国立中学は2月1日に入試を実施しないため、グラフのデータには含まれない)。一方、募集定員は増え続けていることから定員割れしている学校もあり、難関校や人気校にこだわらなければ進学しやすい状況となっている(資料:森上教育研究所)
図2 公立中高一貫校では一般の公立校と同様、学習指導要領に沿ったカリキュラムを基本としているものの、授業時間数の増加や6年間を見据えた独自のカリキュラム編成が認められていることから学習面で有利とされている。入試の合否は、「適性検査」と呼ばれる筆記試験と学習記録の「報告書」、「志願理由書」の提出、県によっては面接を課すところもある。公立のため授業料がかからないこともあり人気は高く、受検倍率は低くても5倍以上の狭き門となっている。東京では10校で男女合わせて1397人の募集に対し、1万144人が受験。平均倍率は7.26倍と、前年の6.76倍を上回った。神奈川は県立2校で2324人、7.26倍。横浜市立は1520人、9.5倍だった。千葉の2校では1895人、埼玉の2校で1279人が受験した。受検(験)倍率は都立校は一般枠、九段は都民枠のもの

それでも、中学受験はやはり時間的、金銭的にも親に負担がかかる。共働き世帯が無理をしてでも受験させる必要があるのか。

杉山さんは「中学受験=ゴールではありません。大学全入時代で推薦入試やAO入試(アドミッションズ・オフィス入試)なども増えているため、公立の中位校の上位にいれば、それほど苦労せずに大学に入れます。子どもに劣等感を持たせることになるなら、無理に中学受験をする必要はありません」と話す。「周りに流されることなく、あくまでもわが子が受験に向いているかどうかを考えることが大事。社会情勢も見極めながら、適格な判断を行ってほしい」と吉本さんは力を込める。

ライフコラム 新着記事

ALL CHANNEL