男性の1位『一流の男、二流の男』は他の書店チェーンでも売れ行き良好ではあるが、とりわけTSUTAYAでは積極的に店頭展開したことから、男性の上半期総合1位になった。

女性の「健康・ダイエット」本にあたる強いジャンルが、男性では「ビジネス・自己啓発」本だ。6位の落合博満『采配』や、23位長谷部誠『心を整える』、25位『あんぽん 孫正義伝』まで含めると、トップ30のうち11冊までをこのジャンルの本が占めた。

男性の上半期ベストセラー 1~10位

健康・ダイエット本も、女性ほど多くはないが6冊ランクイン。メタボ健診に始まる男性の健康志向の広がりを示している。ユニークなのは『50歳を超えても30代に見える生き方』が13位に入っていること。従来は女性向けの美容ジャンルのテーマだった「アンチエイジング」をうたった本ながら、著者である男性医師が自ら広告塔として表紙や帯に登場している点が、興味を引いているようだ。

文芸書は女性より多い6冊がランクイン。本屋大賞の『舟を編む』、『このミステリーがすごい!』1位の『ジェノサイド』、芥川賞受賞の『共喰い』と、買ってハズレがない話題の本に男性は手が伸びやすいようだ。

最後に、時代を象徴する男性ならではのランクインといえるのは、11位前田敦子、14位柏木由紀という2人のAKB48メンバーの写真集だろう。

男性の上半期ベストセラー 11~30位
次のページ
文庫本の男女別上半期ベストセラーは