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辛いことに直面し、悲しみにくれる夜。喜びに満ちあふれ、思わず涙腺が緩んだ日。魂が揺さぶられ、感情があふれ出したとき、私たちのほおを伝うひと筋の"涙"――。

涙の理由は様々でも、ひとしきり泣き終えたあとは、なぜか心が静まり、穏やかになる気がする。張り詰めていた思いがフッと解放されて、心地よい脱力感に包まれるようなあの感覚。きっと誰もが一度は経験しているのではないだろうか。

そんな"涙"の力に着目し、能動的に泣くことで心のデトックスを図る"涙活(るいかつ)"を発案し、提唱しているのが、離婚式プランナーの寺井広樹さんだ。見知らぬ人たちが集まり、泣ける映画や朗読を聞いて意識的に涙を流す"涙活"イベントを2013年1月からスタートさせている。

そもそも寺井さんが、涙の持つ力に気づいたのは、自身が手掛ける離婚式がきっかけだった。

「離婚式では、女性はもちろん、男性側が大粒の涙を流して泣いていらっしゃる姿もよく目にします。ですが、指輪をたたき壊すセレモニーを終え、涙が出尽くす頃には、皆さん決まってすがすがしいスッキリした顔になっている。"泣くことって、こんなに人の感情を浄化させるのだな"と実感したんです」

涙は神様が与えてくれた宝物

実はこの"意識的に泣くこと"は、医学的にみても理にかなったストレス解消法だという。『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版)などの著者を持つ、東邦大学医学部生理学教授の有田秀穂さんはこう話す。

「涙を流すことによって、緊張やストレスに関係する交感神経から、脳がリラックスした状態の副交感神経へとスイッチが切り替わります。たくさん涙を流すほど、ストレスが解消し、心の混乱や怒り、敵意も改善することが研究結果で分かっているんです」

つまり、友人や部下が泣いているのを見たときは、"泣かないで"ではなく、"思いきり泣いていいよ"が正解。睡眠や笑いよりも強いストレス緩和力を持つというから、"涙"の力おそるべし、だ。

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