「女性役員3人」がプラスに働く理由女性活用&業績アップの決め手(4)

2014/3/10
日経マネー編集部は昨秋、独自の調査をもとに「業績」でも「女性活躍推進」でも成果を上げる企業10社を「日経マネーなでしこ銘柄」として選定したところ、強さの秘密ともいえる共通項がいくつか浮かんできた。これまでの連載では「残業ゼロでも昇進」「28歳で課長に。若手を登用」「トップの語るダイバーシティ戦略」を紹介してきた。今回は、女性役員の登用が進んでいる実態とその背景を探ってみたい。

「女性役員が3人以上」――、日経マネーなでしこ銘柄10社のうち、半数に上る企業に女性役員が複数いることがわかった。その他の企業も執行役員まで含めると最低1人は女性が役員に名を連ねている。東洋経済『役員四季報2013年版』の調べによると、上場企業のなかで女性役員が1人でもいる会社は14.8%、このデータに照らしてみると、なでしこ銘柄企業では女性役員の登用が進んでいることがわかる。

安倍首相は2013年春の成長戦略のスピーチのなかで「上場企業に女性役員を最低1人」とうたったが、こうした目標はすでに達成し、さらに一歩先をいっている。ところで安倍首相の提言に対しては「女性1人ではつぶされかねない」という声も上がった。なでしこ銘柄企業をみると、女性役員が複数名いるプラスの面も見えてきた。

ポーラの4人の女性役員。左から小泉京子さん、小西さん、西原妙子さん、竹永美紀さん

「(役員会で)女性1人だった頃は、プレッシャーが大きかった」。ポーラで女性役員第1号となった小西尚子さん(55)は、こう振り返る。今では生え抜きから取締役2人、執行役員2人、計4人の女性役員が誕生し「ほっとしている」という。

「女性は年を重ねるほど、美しくありたいという気持ちが強くなるもの」

ある会議で小西さんがこう発言したところ、他の3人の女性役員も「そうだよね」と相づちをうった。

女性ならではの感覚的な意見でもうなずき合えることで、「より自信をもって発言できるようになった」と小西さんは言う。

数の論理は大きい。同社で2014年1月に取締役に就いた竹永美紀さん(45)の場合は、すでに小西さんの背中が見えていて「何の抵抗もなく、部長そして役員へと階段を上がっていった」と気負いなく語る。

女性役員が1人だと「1人の意見が女性代表と見なされてしまう」こともあるが、複数人いれば、女性の多様な声を役員会に届けることができる。ポーラでも4人の間で意見が割れることがあるという。それぞれが部長時代に、百貨店の販売チャネルを切り拓いたり、高級ブランド化粧品をヒットにつなげたり、訪問販売に新しいマネジメント手法を確立したりと、異なる分野で実績を上げてきた。当然ながら視点は異なる。「次世代のポーラレディを育てないといけないといった大きな目標では共振するものの、ではどうするかという政策論では違う意見をもっている」(竹永さん)。3人以上いれば「三者三様」、それぞれの個性を発揮することができるのだ。

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