乳がんだけじゃない バストのトラブルと見つけ方

【2】生理不順の人は大きくなりやすい「乳腺のう胞」

□ まるいしこりがある
□ 押すと痛い

「乳腺のう胞は、乳腺の中に液体のたまった袋ができること。しこりを感じることがあるが、基本的には良性の変化で乳腺症の一種」と島田院長。

乳腺症同様、女性ホルモンの影響で起こるため、PMSの時期にしこりや痛みを感じ、生理が始まると小さくなる。のう胞は複数できることが多く、閉経すると症状が消える。

大きくなって痛みが強ければ細胞診を

生理不順の人は、しこりが大きくなりやすく、大きくなると痛みも強くなる。「小さなものは約6割の人に見られ、1cm以上のものは約2割の人に見られる。しこりは丸く触れるのが特徴」と片岡医師。

のう胞は、超音波検査で見極めがつきやすい。のう胞だと分かれば安心で、特に症状がひどくなければ治療の必要はない。「大きくなって痛みが強い場合や、ばい菌が入った炎症性のう胞の可能性がある場合には、のう胞の中身を注射で採取して細胞診をすることがある。悪性でないことを見極める」と島田院長。のう胞が乳がんに移行することはないので、のう胞と診断を受けたら、以降は通常のスケジュールでの乳がん検診でOK。

【3】急に大きくなれば摘出を検討「乳腺線維腺腫」

□ よく動くしこりがある
□ 押すと痛い

「乳腺線維腺腫は、10代後半から30代女性に多い、乳腺の中にできる良性腫瘍。体のほかの部分に広がることも、悪性になることもない」と片岡医師。

乳腺症と違って、月経周期に影響を受けてしこりが小さくなったり消えたりすることはないが、閉経して年齢を重ねるに従って、小さく、分かりにくくなる。しこりは触ると硬く、クリクリとよく動くのが特徴。押すと痛いことも。

急に大きくなったら手術の必要も

検査は、超音波とマンモを組み合わせ、場合によっては細胞診や組織診も行う。「乳腺線維腺腫と診断がつけば、経過を見るだけで治療の必要はない」と島田院長。ただし、「しこりが急に大きくなったり、痛みなどの症状が強いときは、巨大線維線腫といって、そのままではどんどん大きくなることがまれにある。しこりが大きくなると傷も大きくなるため、状況により切除を薦める」(島田院長)。

大きさの経過観察は医師に薦められた頻度を守って、行うことが大切だ。

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【4】閉経前なら8割が良性「乳管内乳頭腫」

□ 乳首から血液などが出る
□ しこりがあることも

乳管内乳頭腫は、母乳が通る乳管にできる良性の腫瘍で、乳首から血液の混じった分泌液が出る(血性乳頭分泌)ことが多い。しこりを感じることも。

「血性乳頭分泌が出る症状は30~40代に多く、約8割は良性。そのうち約4割が乳管内乳頭腫です」と片岡医師。一方で閉経後の同じ症状は、約8割が乳がんの可能性がある。「若くても乳首をつまむとすぐ出血し、頻度や量が多い人は悪性の危険が高いので、きちんと検査を」と片岡医師。

乳管内視鏡で腫瘍のある乳管を切除することも

検査は、マンモや分泌物の細胞診。また、乳首から針金くらいのカメラを入れる乳管内視鏡検査を行うことも。腫瘍が大きくなったり、出血が多い場合は、乳管内視鏡で腫瘍のある乳管を取り除けば、それ以降の問題はなくなる。なお、分泌物の色が透明や白でも、片方からだけの分泌なら要注意だ。

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良性でも手術で切除するのが基本