写真で解説 富裕層狙うザ・リッツ・カールトン京都

2014年2月7日、マリオットホテルグループが展開する最高級ブランド「ザ・リッツ・カールトン」の国内4店舗目となる「ザ・リッツ・カールトン京都」が京都市内に開業した。場所は鴨川沿いの二条大橋畔で、かつて藤田観光が経営していた「ホテルフジタ京都」の跡地。2006年に積水ハウスが土地と建物を取得してしばらく営業していたが、2011年に閉館し、新たに建て替えた。

「ザ・リッツ・カールトン京都」は大阪、東京、沖縄に続いて国内4店舗目。鴨川沿い二条大橋のたもとに建つ建物は和と洋の融合を図った外観で、京都の自然と町並みに溶け込み、洗練された雰囲気が漂う。京都市営地下鉄京都市役所前駅から徒歩約3分とアクセスがよく、祇園や河原町など繁華街にも近い(写真:橋長初代、以下同)

開業に当たって同ホテルの田中雄司総支配人は「京都は17の世界文化遺産がある一大観光地。年間約1200万人が京都市内に宿泊し、2013年には外国人観光客が100万人を超えた。宿泊施設も多数あるが、外資系ホテルは少ない。我々が開業することで今までと違う選択肢を提供できると思う」と抱負を語った。

関西では1997年に開業した「ザ・リッツ・カールトン大阪」をはじめ、「セントレジスホテル大阪」「インターコンチネンタル大阪」といった世界有数のラグジュアリーホテルが大阪に進出。2014年3月にはあべのハルカスの上層階に「大阪マリオット都ホテル」が開業する。一方、京都は老舗旅館が多いうえ、景観条例で建築物の高さやデザインが規制されており、土地取得も困難なことなどから、外資系ホテルの進出が遅れていた。

同ホテルは地下2階、地上5階建てで、客室数は134室。大阪のラグジュアリーホテルと比べると小ぶりだが、「サービスを充実させるには適度な規模」(田中総支配人)とのこと。手厚いホスピタリティーで、これまで大阪に流れていた富裕層を取り込みたい考えだ。

車寄せからホテル玄関までのアプローチにも鴨川の流れを思わせる水の空間が設けられている
旧ホテルフジタ京都にあった滝の石を再利用

ただ、2015年には京都・東山に「フォーシーズンズホテル京都」が開業する予定。顧客争奪戦は避けられないが、敵対よりもむしろ歓迎ムードが漂う。「1ホテルでマーケットをけん引する力は限られる。ライバルホテルが出店すれば、京都のラグジュアリーマーケットを開拓できる」(同)とし、国際観光都市・京都のさらなる可能性に期待を寄せる。

客室の平均面積はザ・リッツ・カールトン大阪よりも広く、宿泊料金も高めに設定。鴨川沿いで東山三十六峰を一望できる絶好のロケーションを生かした客室設計や最先端の電気自動車での送迎など、富裕層に的を絞った戦略が随所に見られる。

鴨川沿いの客室からは東山三十六峰を望め、夏には正面に大文字の送り火が見える
京都の町家を象徴する格子を使い、京都らしさを表現したエントランス

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由緒ある立地を生かした「京都らしい空間」は日本人に