大事なスマホ「紛失」、セキュリティー危機回避の心得

「ポケットに入れておいたはずなのに、いつの間にか…」。日ごろ持ち歩いているスマートフォン(スマホ)がなくなっていることに気づき、焦った経験がある人も多いだろう。スマホは機器が高価なだけでなく、個人情報など大事な情報が数多く保存されている。スマホ・ユーザーにとって、紛失や盗難はセキュリティーという観点からも大きなリスクである。スマホの紛失・盗難対策の勘所を紹介する。

スマホを紛失した場合、持ち主の手元に無事戻る可能性は、それほど高くない――。

図1 米シマンテックによる「スマホ紛失実験」の結果例。公共の場所に放置したスマホ50台のうち、拾得者から連絡があったのは半数の25台だった。実験は、米国およびカナダの5都市で2011年後半に実施された

セキュリティー会社の米シマンテックが行った実験では、こんな結果が出た。同社は2011年後半、米国とカナダの5都市で、エレベーターやショッピングセンター、バス停など、人通りの多い公共の場所に、スマホ50台を放置し、誰でも拾得できる状態にする実験を行った。目的は、紛失したスマホが拾われた場合、どのように扱われるのかを調べることだった。

スマホには、ダミーのデータを保存し、それらに対するアクセスを、専用アプリを使って遠隔から監視した。スマホの現在地はGPS(全地球測位システム)を使って追跡した。

拾得者の多くは中身をのぞく

図2 米シマンテックによる「スマホ紛失実験」の結果例。条件は図1と同じ。スマホに監視用のアプリを仕込み、拾得者の行動を調べた。拾得者のほとんどは、スマホに保存されているファイルを開いたり、インストールされているアプリを実行したりしようとした

実験結果は以下の通り。スマホの連絡先アプリには、所有者の電話番号とメールアドレスを明記しておいたものの、拾った人から連絡があったのは半数の25台だった(図1)。

本体が戻ってきたからといって安心はできない。スマホに保存されているデータなどを勝手に見られたり、盗まれたりしている恐れがあるからだ。シマンテックの実験では、96%に当たる48台において、拾得者が何らかのファイルやアプリを開こうとした(図2)。また、拾得者の7割以上が、保存されている写真を閲覧しようとした。

拾ったスマホを使って、所有者のWebサービスなどに勝手にログインしようとした人や、メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を閲覧しようとした人は6割以上だった。

盗難の場合はともかく、紛失の場合には、拾ってくれた人の善意に期待したいところだ。しかし、実験する国や状況によって事情は異なると推測されるものの、善意にはあまり期待できないようだ。

パスワードロックは必須

図3 スマホを紛失した場合の対応とそのための準備例。無料で利用できるサービスやソフト(アプリ)もある。事前の設定や申し込みが必要な場合があるので要確認。サービス利用に必要な情報(連絡先や手順など)は、手帳などに控えておこう

紛失や盗難からスマホの大事なデータを守るには、ユーザー自身の迅速な行動と、適切な備えが必要だ(図3)。具体的な備えとしては、「機器にロックをかけて、第三者が操作できないようにしておく」「遠隔からロックできるようにしておく」「機器の現在地を調べられるようにしておく」「電話回線の停止方法を知っておく」「バックアップを取っておく」などが挙げられる。以下、それぞれについて説明しよう。

まず、スマホユーザーとして必須なのが、パスワードなどによる機器のロック。パスワードとして登録した数字列や文字列を入力しないと、機器を操作できないようにする。Android(アンドロイド)搭載スマホでは、画面に表示された9つのドットをなぞる順序(パターン)がパスワードになる機種もある。

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