収穫されたオリーブはさまざまに加工される。(C) luri / Shutterstock

クレタ島は、ギリシャでも最大のオリーブ産地のひとつ。この美しい島では4000年以上も昔からオリーブの栽培が行われていたとされる。今では機械で木を揺さぶる収穫法が主流だが、家族や村人総出で伝統的な手法を守っている農家も少なくない。網を何週間も張り、オリーブの実が自然に落ちてくるのを待つのだ。自然に、といっても手助けは必要で、木をゆすったり、長い棒でつついたりして、できるだけたくさんの実を収穫する。次に、実をつぶさないように銀色の葉を取り除く。こうしてより分けられた実だけが地元の搾油所へ運ばれ、黄金色の油に生まれ変わる。

オリーブ油の中でも最高級とされるのがエクストラバージンオイルで、その次がバージンオイル。いずれも一番しぼりのオリーブ油で、化学処理や精製をしていない。一般のオリーブ油は、風味と色を良くするために少量のエクストラバージンオイルかバージンオイルを加えて精製する。

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■ベストシーズン  10~2月。

旅のヒント  ミノア文化の中心だったこの美しい島を見て回るには、少なくとも1週間は必要。オリーブ油をふんだんに使ったクレタ料理は世界で最も健康的な料理といわれている。ぜひじっくりと味わいたい。収穫期には地元の搾油所でオリーブ油の製造工程を見学できる。

【見どころと楽しみ】
<ギリシャのオリーブ>
オリーブの木1本から収穫できる実の量は、当たり年で平均60キロ。クレタ島ではコロネイキ、スロムボリャー、ツォウナティなど多くの種類が栽培されているが、これらは主にオリーブ油の原料となる。
ギリシャのほかの地域では、塩漬け用や卓上オリーブ用の品種が栽培されている。カラマタは大きなアーモンド型。果実のような豊かな味と肉のような舌ざわりが特徴。ペロポネソス半島西部のメッシニアで作られる。
丸形あるいは楕円形をしたコンセルボリャーはギリシャの食卓で最もよく見かけるオリーブだ。
大粒で青緑色のハルキディキ(チャルキディキ)はギリシャ北部のハルキディキ地方で生産され、ぴりっとした風味が特徴。実が大きいので、チーズや干しトマトを詰めることも多い。
ギリシャ南東部のアッティカ地方で作られる小さなメガリティキは、塩をふって乾燥させるので、表面にしわが寄っている。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[『一生に一度だけの旅 世界の食を愉しむ BEST500』の記事を基に再構成]

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著者:キース・ベローズ他.
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