~フランス ブルターニュの海の恵み~

果実味が残る辛口白ワインのミュスカデ。ブルターニュ半島の海岸沿いでは、生牡蠣を食べるときの定番ワイン(C) SGM / www.photolibrary.com

湾や入り江、島々が複雑に入り組むブルターニュ半島。その大西洋沿岸は、世界でも有数の牡蠣(かき)の産地だ。

ブルターニュ半島西端の都市ブレストから南の保養地ラ・ボール・エスクブラック近郊のゲランド塩田にいたる海域は、驚くほど多彩な牡蠣を生み出している。それを味わうのに最高の場所が、モルビアン湾周辺だ。

湾の南にはリュイス半島が突き出ており、半島の町サルゾーの町から始まる“牡蠣の道”が半島沿いにポール・ナヴァロ岬までのびている。湾を見渡せば、斜めの杭に囲まれた牡蠣の養殖場が目に入るだろう。

広さ485ヘクタールの養殖場は、かつての天然牡蠣の繁殖地。地元のレストランのメニューにはユイットルス・デュ・ゴルフェ(ブルターニュ産牡蠣)と書いているだけのことが多いが、時にユイットルス・ブドューズ(“ふくれっ面の”牡蠣)という名を見かけることもある。3~5年養殖された小型でふっくらとした牡蠣で、豊かな潮の香りが特徴だ。

モルビアン湾では、ブロンと呼ばれる牡蠣もとれる。こちらは平らで丸く、肉厚の身と奥深い後味を持つ。

暖かい夏の日には、ゲランド塩田で塩職人たちが粗い海塩の灰色の層の上にたまった結晶、フルール・ド・セル(塩の花)を手作業で集める光景が見られるかもしれない。フルール・ド・セルは食卓塩として料理の仕上げ用に、海塩は調理の際に使われることが多い。

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■ベストシーズン  いろいろな牡蠣を楽しむなら10~4月。フランスでは新年を迎える頃にブルターニュ産の牡蠣を食べるのが習慣になっている。12月から1月にかけては、2~3年もののソヴァージュ(天然牡蠣)がメニューに登場するはず。

旅のヒント  モルビアン湾は週末を過ごすのに最適。港周辺を散策したり、青いトロール船を眺めたり、ヨットを楽しむのもいいだろう。クレープを食べたり、ゲランド塩田を散策したり、ロワール川河口の北、ミュスカデのぶどう畑でワインを味わうなら、さらに1週間は必要。

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