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サムライブルーの起源は東大? サッカー伝来の地は…

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熱戦が続くサッカー・ワールドカップ(W杯)。日本代表のチームカラーといえば「サムライブルー」でおなじみの青だ。国旗の色を採用する国が多い中で、なぜ赤や白ではなく青なのか。その理由を探っていくと、東京大学にたどり着いた。伝来の歴史や代表メンバーの出身地など、東京とサッカーを巡るうんちくを調べてみた。

1930年、初の日本選抜チームが青を採用

東京・本郷にある日本サッカーミュージアム。地下2階を訪れると、歴代の日本代表ユニホームが迎えてくれた。そのなかに、ひときわ古い一着があった。現在よりやや薄めの青に日の丸をあしらい、襟は白。1936年(昭和11年)、ベルリン五輪に参加した際のものだという。

日本サッカー協会によると、これが現存する最古の代表ユニホームだ。このころから既に青が採用されていた。

そもそも代表ユニホームはなぜ、青になったのか。協会に聞いた。

「日本の国土を象徴する海と空の青、という説がありますが、後になって理由付けられたものです。正直なところ、文献が残っていないので分かりません」

ただ、興味深い話を聞いた。東京帝国大学(現・東京大学)のユニホームの色が源流との説があるという。どういうことか。まずは代表チームの歴史をひもといてみよう。

1917年(大正6年)、東京高等師範学校(現・筑波大学)のサッカーチームが東京で開かれた第3回極東選手権に出場した。日本を代表するチームが参加した初めての国際大会だ。当時は現在のように優秀な選手を選抜して代表チームを編成するのではなく、大学など既存のチームが日本代表として出場していた。

後藤健生著「日本サッカー史」によると、このときのユニホームの色はえび茶色だったという。その後は1921年(大正10年)が白黒の縦じま、1923年(大正12年)は白黒の横じまだった。出場権を獲得したチームのユニホームがそのまま採用されたようだ。

単一チームではなく、選抜チームが初めて編成されたのは1930年(昭和5年)、第9回極東選手権から。このときのユニホームが、薄めの青だったという。


1988~91年は赤いユニホームだった

なぜ青だったのか。後藤氏は「12人の選手を送り込んだ東京帝国大学のユニホームにならったのではないか」と推測する。協会にも確認してみたが、はっきりしたことは分からなかった。

以後、日本代表のユニホームは青が基本となった。この大会で初めて優勝(中国との同位優勝)を飾ったことが影響したのかもしれない。

ちなみに、代表ユニホームには一時期、赤が採用されたことがある。1988~91年だ。ちょうど横山謙三監督の時代だ。協会によると、赤は韓国や中国、東南アジアで多く採用されており、別の国と間違えて挨拶に来る人もいたという。

残念ながら、なぜ赤になったかは不明。ただ1991年(平成3年)に川淵三郎氏が協会の強化委員長に就任した際、「日の丸が一番映えるのは青」として青のユニホームに戻したという。他国に間違えられたことも影響したようだ。

東大のライトブルー、ケンブリッジ大が源流 くじ引きで決まる

サムライブルーのルーツともいえる東大のユニホームは、現在も淡い青色が受け継がれている。このライトブルー、東大のスクールカラーでもある。なぜこの色を選んだのか。東大に聞いた。

「実はくじ引きだったんです」

広報担当者によると、1920年(大正9年)、東京帝大と京都帝国大学(現・京都大)のボート部が対抗レースを行った。このとき使ったのがダークブルーとライトブルーのボート。どちらに乗るか、くじで決めたところ、東大がライトブルーとなった。この色が東大運動会の旗の色となり、ひいてはスクールカラーとなった。すべては偶然の産物だったのだ。

ではなぜブルー系の2色から選んだのか。これにも明確な理由がある。英国の大学にならったという。オックスフォード大学とケンブリッジ大学だ。両大学ともブルー系をスクールカラーにしている。

日本色彩研究所編「新色名辞典」によると、両大学の色はそれぞれ「オックスフォードブルー」「ケンブリッジブルー」という名前で呼ばれている。こちらも由来はボートレースだという。

ケンブリッジブルーについては、経緯が伝わっている。1836年に行われた両大学対抗のレースで、ケンブリッジの船が船首に付ける旗を忘れ、急きょライトブルーのスカーフで間に合わせたという。このときの色がその後も使われるようになり、ケンブリッジブルーの名がついた。

実はこの色、それまでは「イートンカラー」と呼ばれていた。英国のパブリックスクール、イートン校の色として15世紀から使われてきた。サムライブルーの源流は、なんとイートン校にまでさかのぼることができるのだ。

オックスフォードブルーにも同様の説がある。こちらはケンブリッジより少し早く、1829年に初めて使われたようだ。

ちなみに東大のサッカー部は正式名称を「東京大学運動会ア式蹴球部」という。「アソシエーション・フットボール」からきている。これについては同じ電子版の連載「ことばオンライン」の5月の記事「サッカーとフットボール、どちらの呼び方が正解?」が詳しい。

東大ア式蹴球部は日本で最も歴史のある大学サッカー部だ。設立は1918年(大正7年)。後に日本サッカー協会会長となる野津謙氏が創設した。日本サッカー界の重鎮、岡野俊一郎氏も出身者だ。

サッカーは東京・築地に伝来

日本にサッカーが伝わったのは1873年(明治6年)。日本サッカー協会によると、英国海軍のダグラス少佐が東京・築地の海軍兵学寮(後の海軍兵学校)で日本海軍の軍人たちに教えたのが最初だといわれる。サッカー伝来の地は築地だった。

当時の築地は、海軍の一大拠点となっていた。明治初期には海軍省が置かれ、海軍大学校、海軍兵学校、海軍経理学校など数々の施設があった。現在でいえば、ちょうど築地市場や国立がん研究センターがある一帯だ。がん研究センター内には「海軍兵学寮跡」と書かれた記念碑がある。

銀座を走る「みゆき通り」も、海軍にちなむ名前だ。明治天皇が皇居から海軍兵学校に向かう行幸(みゆき)の際、通った道だという。がん研究センターの間近まで延びている。

ではなぜ、築地に海軍なのか。そこで登場するのが勝海舟。築地にはかつて、勝海舟が頭取を務めた軍艦操練所があったのだ。このことから築地は海軍発祥の地、と呼ばれることもある。

築地はサッカーのほか、様々なものの「発祥の地」でもある。かつてここには外国人居留地があり、雙葉学園や女子学院、明治学院などの学校が生まれた。慶応義塾も築地生まれだ。この辺りの話は「慶応もサンタも築地出身 魚の町は『発祥』の宝庫」に詳しく書いた。

代表選手の出身地、全国に分散 静岡集中から脱却

さて日本代表。過去にさかのぼってメンバーの出身地を見てみると、明確な傾向があった。回を重ねるごとに、全国に分散しているのだ。

日本が初めてW杯に出場した1998年、代表22人のうち9人が静岡県出身だった。次が群馬県の2人、あとはすべて1人ずつだった。

2002年になると、静岡が6人に減り、茨城が2人で続いた。今回のメンバーでは、静岡はわずか2人。鹿児島、大阪、兵庫、大分もそれぞれ2人を輩出している。静岡一極集中が薄れ、広い地域から選ばれるようになった。それだけ日本の「サッカー力」が高まったということだろう。

「東京ふしぎ探検隊」としては、やはり東京のことが気になる。代表メンバーでは、今回はゴールキーパーの権田修一選手(FC東京)のみが選出された。1998年からの累計では4人で、都道府県別にランキングにしてみると7位だった。

スタジアムはどうか。サッカー専用のスタジアムは国内ではカシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市)や埼玉スタジアム2002(さいたま市)などがあるが、東京都内には約7千人収容の味の素フィールド西が丘(北区)1カ所のみ。サッカーの面では、東京はまだまだ発展途上ということだろうか。

(河尻定)


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