省電力機能は、コスト削減と環境対応の両面で貢献する。消費電力を抑えて待機する通常の「スリープ」モードに加え、さらに消費電力をカットする「ディープスリープ」モードを備えた製品が登場(図11)。電源の切り忘れを防ぐため、周囲の明るさを検知して自動で電源を切る製品もある(図12)。リコーやカシオ計算機は、曜日や時刻できめ細かく電源やモードを制御できるツールを提供している(図13)。

[上]図11 プリンターが「スリープモード」に移行するまでの時間を短くすると、節電効果は大きくなる。写真はエプソンの「Offirio LP-S8100」の液晶パネル画面。ただし、多人数で使っている場合など印刷の頻度が高い場合は、立ち上がりに時間がかかるなど非効率になる。状況に応じて適切に設定しよう [左下]図12 リコーの「IPSiO SP C320」や「同4300」は、周囲の明るさを検知して、自動で電源を切る「ECOナイトセンサー」を備える [右下]図13 リコーの「IPSiO SP 4300」などは、自動的に電源を切る時刻を曜日ごとに設定できる「オートオフスケジューラー」機能を備える

省電力の性能は「TEC(テック)値」も参考になる。これは、標準的なオフィスで1週間使った場合に消費する電力量をキロワット時(kWh)単位で表したもの。測定法が規格で定まっているため、異なるメーカー間での比較がしやすい。省エネルギーセンターのWebサイト[注1]で各社製品のTEC値を確認できる。A4機ではキヤノンやブラザー工業の機種が1kWhを切っている。A3機では、キヤノンと富士ゼロックス、NECが1.2kWh台と低く抑えている。

スマホから印刷が可能に

スマートフォン(スマホ)やタブレット端末への対応も始まった。スマホなどから無線LAN経由で印刷できる。マイクロテック製のiPhone/iPad用アプリを使える製品が多く、エプソン、OKIデータ、キヤノン、日本HP、ブラザー、リコーの製品が対応(図14)。エプソンと日本HPは、スキャンしたデータの転送にも対応する独自アプリを提供している。

[左]図14 スマートフォンやタブレット端末から無線LAN経由で印刷できるプリンターも増えた。左はマイクロテックのiPhone/iPad用アプリ「ePrint」。エプソン、日本HP、キヤノン、リコーなど複数のプリンターに対応する。右はエプソンの「iPrint」。iPhone/iPad に加え、Android端末(スマートフォンやタブレット端末)に対応する [右]図15 日本HPが2012年5月に発売予定のプリントサーバー 「HP Jetdirect 2700w」。プリンター側のUSB 端子に接続すると、iPhone/iPadから印刷できる。同社の「M551dn」と「M600」シリーズに対応

これらのアプリを使うには、無線LAN環境が必要。そこで日本HPは中堅モデル向けに、有線LANとは別に直接無線で接続して印刷できるUSB無線LANプリントサーバーを2012年5月に発売する予定だ(図15)。

[注1]http://eccj06.eccj.or.jp/cgi-bin/enestar/pub_productsJ.php
[参照]日経パソコン2012年2月13日号の特集「ビジネスプリンター購入ガイド」に、NEC、OKIデータ、カシオ計算機、キヤノン、京セラミタ(2012年4月から京セラドキュメントソリューションズ)、コニカミノルタビジネステクノロジーズ、セイコーエプソン、デル、日本ヒューレット・パッカード、富士ゼロックス、ブラザー工業、リコー、理想科学工業の代表的なビジネス向けプリンターの一覧を掲載。また、パソコン活用のための情報サイト「PC Online」内の特設ページ「プリンター&プロジェクター徹底活用」(http://pc.nikkeibp.co.jp/special/lbp/)にも製品一覧などを掲載中。

(ライター 岡村秀昭)

[日経パソコン2012年2月13日号の記事を基に再構成]

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