販促の常識覆す「スマホ接客」、実店舗がネット通販に逆襲

スマートフォン(スマホ)の普及によって、実店舗で商品を見てネット通販で購入する「ショールーミング」が流行している。だが、実店舗側もスマホの力を借りて、接客や販促などのサービスを進化させる動きが本格化している。最先端の動きを報告する。

2013年12月、ファーストリテイリンググループの「ジーユー」は、自社アプリを入れた客が入店したときに、店のセール情報をスマホ画面に通知するサービスを始めた。このサービスはアプリを事前に起動する必要がなく、ユーザーが入店するときを狙ってタイミングよく情報を表示できるのが特徴だ。

ジオフェンスを活用する「ジーユー」。20代女性に人気で、すでに約300万本以上ダウンロードされている自社スマホアプリに、店へ入ったときにセール情報をプッシュ通知する機能を追加した(左)。2013年12月から開始し、現在、都内4店舗で利用できる。Bluetoothを活用したジオフェンス技術を利用(右)。店内に入るとセール情報をスマホに配信、利用者はアプリを起動せずにメッセージを見られる。店内POPではアプリで服のコーディネートが見られることも訴求。自社アプリの活用率を高めている(中央)

ジーユーが使っているのは、最近熱い注目を集めている「ジオフェンス」と呼ばれる技術である。

ジオフェンスはスマホの位置情報を利用して、店から一定距離内にユーザーが入ったことを知る技術の総称である。従来、こうした位置情報の取得にはGPS(全地球測位システム)が使われてきたが、測定精度が数百メートル範囲と広く、また屋内や地下では位置が分からないなど使いにくい面が多かった。

ジオフェンスは、ショッピングモールや店内に発信機を多数配置。発信機から一定範囲(フェンス)内に利用者のスマホがあるのが分かると、その端末に情報を自動配信する。アプリを起動せずに情報がスマホに表示されるため、ユーザーは割引クーポンや来店ポイントを取得する手間が大幅に省ける。発信機はコンパクトなので、個別の商品の近くなどにも設置できる
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