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大阪・私立中の75%が実施 プレテストは受験に有利?

2013/11/7

首都圏の一部私立中学校では、11月下旬~1月上旬に「入試問題体験会」や「入試対策講座」を実施している。これらは学校説明会の一部に組み込まれ、過去の入試問題やサンプル問題を解いたり、出題傾向を解説したり、入試での注意点をアドバイスするというものだ。

対して、関西の入試体験はもっと進んでいる。「プレテスト」と称し、大半の学校では問題から受験条件まですべて本番さながらに行うのだ。さらには、合否や特待生の可能性まで判定。本番入試でもプレテストの結果が有利に働くことがあるという。その現状を取材した。

■入試本番とまったく同じ方式で実施する関西のプレテスト

大阪桐蔭中学校と龍谷大学付属平安中学校のプレテストの試験問題。本番の入試問題と同じ様式だ

 「関西の私立中学で行われているプレテストは、試験内容も実施方式も本番の入試そっくりです。以前は、本試験より早い日程で実施される高知・土佐塾中学校の試験などで受験生は力試しをしていましたが、プレテストなら受験する学校が作った試験問題を本番と同じ学校の同じ時間帯で受けることができる。受験生にとってみれば、これ以上の練習はない」と話すのは、進学塾の日能研関西本部・進学情報室室長の森永直樹さん。

関西二府四県のプレテスト実施状況(資料:開成教育セミナー。2012~2014年度の受験者を対象に9月以降に実施した分を集計)

プレテストの受験を積極的に勧める進学塾の開成教育セミナー(成学社)の入試対策課・上高潤詞さんによると、こういった学校による模擬試験は、首都圏の一部の学校説明会で行われている入試体験会が始まりだという。それを受け、関西では、2003年頃から中堅校や定員割れが続く下位校の間でプレテストが広がった。「その後、関西大学北陽や桃山学院など知名度の高い学校が始めたことで一気に火が付きました。現在、大阪府内では約75%の私立中学がプレテストを行っています」。

大阪の広がりを受け、京都でも6割ほどの中学が実施。2012年からは兵庫でもプレテストが解禁され、京阪神のプレテストは勢いを増している。

■定員割れも多い関西私立。プレテストは起死回生の切り札

しかし、プレテストの実施は入試が1回増えることに等しい。採点や合否判定なども含め、学校側の負担は相当なものだ。最近では、本番の試験も前期・後期、午前・午後など、複数回入試を行う学校が増え、これにプレテストが加わると、年間3、4本もの入試問題を作成しなければならない。なぜ、ここまでの労力を払うのか。

開成教育セミナーでは、生徒の学力に応じた「プレテスト受験モデル」プランを作り、模擬試験としても活用するように勧めている

「ズバリ、学校に足を運んでもらいたいからです」と、開成教育セミナーの上高さんは話す。「実施する学校の大半は中堅もしくはそれ以下の学校です。とくに、受験生のボリュームゾーンである中堅校は競争も激しい。まずは学校を知ってもらわないと併願の候補にもならない。実際に生徒に来てもらい、その場で試験を受けてもらえれば、安心感も生まれるし、親近感も沸く。また、同伴する親に対しても、試験の待機中に学校説明会や見学会などを開くことで学校の良さもアピールできる。本命になれなくても、せめて併願の一校に食い込むための戦略というわけです」。

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