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「寝る子は育つ」は本当 大人より活発な赤ちゃんの脳 働きもののカラダの仕組み 北村昌陽

2014/2/16

 へ~、脳幹が行うメンテナンスには、暖機運転まで入っているのか。大脳って大切にされているんだなぁ。

■赤ちゃんのレム睡眠は脳を育てている

 「ところで、赤ちゃんの眠りは、大人よりずっとレム睡眠が多いのですよ」。井上さんはふと、こんな話を始めた。ほー、それはどういうことだろう。

 大人の睡眠では、レム睡眠の割合は20~25%。だが新生児では睡眠時間の約半分がレム睡眠、胎児期までさかのぼると100%レム睡眠になるという。「このレム睡眠は、脳の神経回路を作っているのです」と井上さん。神経回路は、活動するほどつながりが強くなる。そこで胎児や新生児の頭の中では、神経をしっかり“敷設”するために脳幹が活発に活動する。これがレム睡眠の始まり。よく「寝る子は育つ」というけれど、レム睡眠は文字通り、赤ちゃんの脳を育てているのだ。

[右] 胎児の成長過程のある段階では、すべての時間をレム睡眠状態で過ごすという。活発な神経活動によって、脳を育てているのだ [中央] 脳の成長とともにレム睡眠は少しずつ減少。新生児では睡眠時間の半分ぐらい。代わって覚醒時間とノンレム睡眠が徐々に増える [左] 思春期ころに、大人の睡眠サイクルが完成。睡眠時間は1日の3分の1程度。レム睡眠は睡眠の中の20~25%まで減る

 そして脳(特に大脳)が発達すると、「覚醒」という状態が生じる。すると今度は、覚醒によるオーバーヒートを修復するためにノンレム睡眠が増える──と、こんなふうにして、脳の成長とともに睡眠の中身も変化していくのだ。

 なるほどね~、睡眠は生涯にわたって私たちを守っているのか。大切にしましょう。

北村昌陽(きたむら・まさひ)
 生命科学ジャーナリスト。医療専門誌や健康情報誌の編集部に計17年在籍したのち独立。主に生命科学と医療・健康に関わる分野で取材・執筆活動を続けている。著書『カラダの声をきく健康学』(岩波書店)。

[日経ヘルス2013年5月号の記事を基に再構成]

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