通常のスマートフォンは、裏側のカバーを外すと、指先ほどの小さな「SIMカード」を抜き挿しできるようになっている。これを取り換えることで、他の通信会社を利用できる場合がある。スマートフォンは装着しているSIMカードによって、通信の事業者が決まるのだ。最近増えているスマートフォン向けの格安料金プランは、MVNO各社が独自のSIMカードを通じて提供している。
当然ながら、スマートフォンは別途用意しなくてはならない。まだ持っていない人は、「白ロム」と呼ばれるSIMカードの入っていない端末を手に入れるといいだろう。新品のほか、中古品も販売されている。もちろん、現在持っているスマートフォンに格安SIMを入れて使うことも可能だ。
スマートフォンと格安SIMを手に入れたら、通常は説明書を見ながら自分で設定をする。
エリアは問題なし、速度に制限多し
SIMカードは通常、クレジットカードサイズで売られているが、スマートフォンに装着する際はSIMカード本体をクレジットカード大のプラスチックなどの枠から取り外して使う(写真1)。なお、米アップルのスマートフォン「iPhone」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia acro HD」など、本体の側面から抜き挿しする特殊なタイプのスマートフォンもある。

現状、格安SIMを提供している通信会社の大半は、NTTドコモと提携してMVNO事業者(仮想移動体通信事業者)となっている(表1)。MVNOとは、自社で通信網を持たずに、他社から借りて提供している会社のこと。従って、NTTドコモのサービスと同じエリアが使えるというわけだ。
NTTドコモの通信網を活用するMVNOサービスには現在、ドコモの高速データ通信「Xi(クロッシィ)」へ対応している料金プランもある。Xiの利用エリアはまだ広くはないが、こうしたプランではXiのエリア外でFOMAの通信網を利用する。FOMAはエリアの広さで定評があるだけに、電波が届かないといった心配はほぼ無用だろう。