プログラミングで子供教育、火つけ役は米名門大学

国内発の「前田ブロック」にも注目が集まる(図6)。ユビキタスエンターテインメントが無償公開するもので、ゲームなどを簡単に開発できる。

社会で不可欠の力を養う

図6 前田ブロックは、ゲームを簡単に作れるのが特徴(上)。右は、前田ブロックをベースにしたゲーム制作環境「コロコロゲーム工作ブロック」(http://corocoroblock.jp/)。小学館の漫画雑誌のキャラクターが登場するゲームを、Webサイト上で作れる

このように子供たちがプログラミングに取り組むことには、どんな意義があるのか。Scratchのワークショップも主催する阿部氏は「プログラミングというと、技術者のためのものと思われがちだが、そうではない。これからの社会では“読み・書き・そろばん”と同じレベルで不可欠な力になる」と説明する。

今後、身の回りの問題を解決するためにコンピューターを活用することは、当たり前になるだろう。その際には、プログラミングの考え方に近い思考力が有効になる。ベネッセコーポレーション 教育事業本部 デジタル戦略推進部 UX開発セクションの谷内正裕氏は、「大きな問題を分割して個別の課題にし、その処理の順序を考えるというプログラミングの学習は、社会問題解決のトレーニングにもなる」と指摘する。

図7 サイバーエージェントは、小学生向けのプログラミング教育を手掛ける新会社「CA Tech Kids」を設立。優れたIT人材の育成を目指す

同社は2010年から、MITメディアラボの研究コンソーシアムに参加。MITと協力しながら、Scratchを用いた次世代型教育プログラムの研究開発に取り組んでいる。

一方、政府や産業界もこの分野に本格的に力を入れ始めた(図7)。IT(情報技術)分野の優秀な人材を育成することにより、産業競争力を強化するのが目的だ。

2013年6月に政府が発表した「日本再興戦略」では、「義務教育段階からのプログラミング教育等のIT教育を推進する」との項目が盛り込まれた。「読み・書き・そろばん・プログラミング」が子供の必須スキルとなる日も近いかもしれない。

(日経パソコン 八木玲子)

[日経パソコン2013年7月8日号の記事を基に再構成]

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