「足底腱膜炎」に新治療 体外衝撃波で痛みを取る

京都府立医大の牧昌弘氏は、「ESWTでも効果が見られなければ手術療法を考慮する」と話す

京都府立医大整形外科講師(洛和会丸太町病院非常勤)の牧昌弘氏は、「患部に衝撃波を当てると患者は痛みを感じるが徐々に慣れるので、治療に麻酔は使わない」と話す。患者の反応を見つつ、低出力から始めて徐々に出力を上げて治療を行う。1回の治療で照射する総エネルギー量は1300mJ/mm2(ミリジュール/平方ミリメートル)で、治療時間は30分程度だ(写真1右)。

なお、体外衝撃波治療というと尿路結石の破砕治療(extracorporeal shock wave lithotripter:ESWL)が有名だが、ドルニエ エイポス ウルトラは、ESWL用の機械に比べて衝撃波の焦点深度が約半分、最大圧力も約半分程度となっている。

手術しか選択肢がなかった患者の痛みが大幅に軽減

善衆会病院の木村雅史氏は「ESWTは欧州で20年ほど前から行われてきた」と話す

ESWLの治療効果に早くから注目してきた施設の一つが、善衆会病院(群馬県前橋市)だ。同院は、日本にまだESWT用の機器がほとんど導入されていなかった2007年から、機器を購入して自由診療でESWTを実施してきた。

院長の木村雅史氏は、「ESWTは足、膝、肘の腱・靱帯付着部炎を軽減する効果が高い。8~9割の患者で除痛効果が得られている」と手応えを語る。スポーツ選手では7割程度の患者がESWT治療後、早期に競技へ復帰しているという。

2008年からESWTを手掛けている船橋整形外科病院(千葉県船橋市)スポーツ医学センターの高橋謙二氏も、治療効果を評価する。「足底腱膜炎患者の7~8割で、痛みが大幅に減った」と話す。

図1は、同氏が2009~2012年にESWTを実施した足底腱膜炎患者(踵骨付着部に圧痛を有する)のうち、治療開始後3カ月以上経過観察できた43例48足の治療効果だ。

図1 体外衝撃波治療後の痛みの変化(高橋氏による)。治療前の痛みを10としたとき、治療開始3カ月後、痛みを0~5とした患者が77.1%に上った

治療前の痛みレベルを10とすると、ESWTから3カ月後には、77.1%の患者で痛みレベルが0~5まで下がり、良好な治療成績が得られた。痛みレベルが半分以上低下した患者の割合は、最終診察時(平均6.6カ月後)には83.3%まで上昇した。なお、高橋氏が解析した患者は全例3カ月以上の保存治療に抵抗した難治例で、治療前にMRI画像検査で腱膜の肥厚病変が確認されていた。

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント
注目記事
次のページ
機序は疼痛伝導の抑制と組織修復か
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント