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ホントが知りたい 食の安全

フグの毒には解毒剤がない 夏休みの釣りに注意 ホントが知りたい食の安全 有路昌彦

2013/8/9

■食中毒のほぼ100%が素人の調理

結局フグは、(1)食べることができるフグを食べる、(2)食べられる部位を食べる、という2つの専門的知識が必要で、それを熟知する必要があります。だからこそ、フグの調理は専門的な技術の資格(フグ調理免許)を持っている人しか調理してはいけないことになります。

一部の特殊な調理方法でこの毒を生物分解して食べられることもありますが、これも専門的な技術が必要で、素人がやって安全なものではありません。

フグ食中毒のほぼ100%が、こういった技術を有さない人が調理して食べたときに発生しています。養殖フグの毒性はほとんどありませんが、天然フグではたとえ食用のフグでも、肝臓や卵巣といった内臓は決して食べてはいけません。

なお、釣りでよく釣れるのは「クサフグ」と「ショウサイフグ」です。クサフグは緑の背中のかわいい小型のフグ、ショウサイフグはオレンジっぽい背中に黒い粒粒の文様があるフグです。これらは両方有毒で、クサフグに関しては筋肉でもわずかな量で致死量になります。ですから「絶対に」素人が料理して食べてはいけません。逃がしてあげましょう。

インターネットでは素人によるフグ料理レシピが掲載されています。ショウサイフグのレシピも出ていますが、ショウサイフグの食中毒は発生しています。世の中に食べることができるフグはほんの一部で、ほとんどのフグは有毒なのです。

フグは繰り返しになりますが「絶対に」プロが調理したものを食べましょう。

釣りでよく釣れておいしく、素人料理ができるのが、カワハギです。ウマヅラハギ、マカワハギとよく釣れますが、両方美味しくて肝も食べられますので、おすすめです。

ということで、夏は楽しくて安全な釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

有路昌彦
近畿大学農学部准教授。京都大学農学部卒業。同大学院農学研究科博士課程修了(京都大学博士:生物資源経済学)。UFJ総合研究所、民間企業役員などを経て現職。(株)自然産業研究所取締役を兼務。水産業などの食品産業が、グローバル化の中で持続可能になる方法を、経済学と経営学の手法を用いて研究。経営再生や事業化支援を実践している。著書論文多数。近著に『無添加はかえって危ない』(日経BP社)、『水産業者のための会計・経営技術』(緑書房)など。

[ecomomサイト2012年7月31日付記事を基に再構成]

[参考] 家族と自然にやさしい暮らしがテーマの季刊誌『ecomom(エコマム)』。2013年夏号では「自然の恵みを感じる住まい」「知っておきたいわが家の『省エネ』ウソ?ホント?」「家族で楽しむ、夏のお出かけ」などを掲載。公式サイトで登録すると、無料で雑誌が届く。

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