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ホントが知りたい 食の安全

フグの毒には解毒剤がない 夏休みの釣りに注意 ホントが知りたい食の安全 有路昌彦

2013/8/9

夏休みになって子どもたちが家で暴れまわる季節になりました。

わが家はまだ保育園児なので、夏休みは親の仕事事情で決まりますが、小学校以上のお子さんをお持ちのご家庭では楽しくも騒がしい日々が始まっているのではないでしょうか。

私が子どものころは、日曜日の朝、平日は仕事で忙しい父親がゆっくり寝ている上に乗り、「釣りに連れて行って」とせがんだものです。

疲れ切っていても、父は毎週のように釣りに連れて行ってくれました。おかげで小学生のころから私はお魚博士でしたし、釣りがうまいということで友だちに一目置かれたりと、ありがたい限りでした。

研究者になった今も、単にデスクワークだけではなく、魚が必要なら自分で獲りに行くこともできますし、商品開発の時に自分で魚をさばいて調理することができます。

夏休みは水の事故や熱中症に気をつけていただきたいのですが、釣りにはとてもいい季節です。いろんな魚が釣れますし、食べることを通じて、子どもも感動を心と体の中に刻むことができます。

■トラフグ1匹分で大人30人の致死量

築地市場で仲卸業者の店頭に並ぶトラフグ

そういった中、気をつけていただきたいのが、「素人が勝手に調理して食べてはいけない魚」もいるということ。何しろ食中毒のなかでも、ダントツで人の命を奪ってきたものは、フグです。フグは決して素人が料理して食べてよいものではありません。

フグは高級料理ですし、私の父が勤めていた会社もフグ養殖をしていましたので、あの素晴らしい味はよく知っています。しかしフグは食用になるフグと食用にならないフグがあり、食用になるフグも食べてよい部位と食べてはいけない部位があるからです。食用に供されるフグで最も高価なものは「トラフグ」です。いつ食べても確かに最高級にふさわしい味ですね。思い出すだけでよだれが出ます。それから「マフグ」「ショウサイフグ」「サバフグ」などが続きます。

フグの毒はテトロドトキシンというもので、フグが好んで食べる生き物(貝やヒトデなど)がため込んでいるものがフグ体内に生物濃縮されることで毒性を有することが分かっています。

この毒は極めて強く、天然のトラフグ1匹分の有毒部位で大人30人の致死量になるらしく、解毒剤もないので、あたると高い確率で死に至るものです。

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