百貨店系高級スーパーがディスカウント店に Pマートの実力

PB台頭、コンビニ生鮮、食品宅配―― 低価格だけでは生き残れない

オープン以降の売り上げは、毎年2ケタ増で伸びているという。ただし、1年目は前年比15%増と大きく伸ばしたものの、利益が出ずに苦戦。2年目で赤字を解消し、3年目は震災特需で生活必需品が売れ、新規客が増えた。今年度上期はややペースダウンしたものの、利益率は3%を確保。下期は、6月1日にオープンした兵庫県灘区の「Pマート甲南店」と合わせて、売上高で前年比25%増を見込む。

甲南店の店内
6月1日にオープンした兵庫県灘区の「Pマート甲南店」

郊外立地の山田店と異なり、甲南店は都心の人口密集地で、激安店の競合が多い。そのため「こだわり」の商品も一部取り扱っている。「今後は、競合や市場特性、立地条件に合わせて品ぞろえを変えていく方針」と岡林店長。同社の計画では、年内に首都圏と関西の不採算店4店をディスカウントストアに業態転換する予定だ。その後は新規出店も視野に入れ、関東にも拡大していく。

ただ、ディスカウント市場も競合が激化している。イオン、セブン&アイ・ホールディングスといった流通大手が、PBを武器にした小型スーパーやディスカウントストアを多店化。コンビニが本格的な総菜を展開し始め、ホームセンターや100円ショップでも保存食品を販売している。価格の二極化を背景に、業種を超えた顧客争奪戦が始まっている。

Pマート山田店がある北摂エリアでも、今年春、快進撃を続けるディスカウントスーパーのサンデーが進出した。

「ネット通販や食品宅配なども既存業態にとっては脅威の存在。そのためにも、3年に一度は品ぞろえ、価格を見直す必要がある」と岡林店長。企業の規模や商品の安さだけでは生き残れない下剋上の時代。百貨店系低価格業態がどこまでシェアを拡大できるか。

(ライター 橋長初代)

[日経トレンディネット2012年7月30日掲載]

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