陳列の工夫で作業を効率化し、低コスト運営を徹底
薄利多売のディスカウントストアとはいえ、同店では3~5%の営業利益率をめざしている。仕入れ方法の工夫により原価を抑えたとしても、旧来店舗のままの態勢やオペレーションでは利益は出ない。販売管理費をいかに削減するかは、低コスト経営の根幹にかかわってくる。
そこで、従業員を29人に減らし、人件費を約2割削減。陳列の工夫などで作業の効率化を図り、従来より少ない人員で売り上げを伸ばす仕組みを整えた。パート従業員を有効活用する態勢づくりも行っている。
例えば、売り場にないはずの物流用コンテナや品出し用カート、梱包用段ボールが什器代りに使われている。さらに、通常はバックヤードで保管される在庫が棚什器の上に置いたまま。入荷時の状態のまま島陳列したり、ショーケースに定番商品を大量陳列したりなど、大丸ピーコックではあまり見かけない光景だ。店頭在庫の大半を売り場で管理することで、品出しの時間を短縮化している。単品の大量陳列は商品のボリューム感を演出することにもつながるという。
当然、広告宣伝費も削減している。集客の手段となるチラシの配布回数を月2回に減らし、ポイントカードも廃止。広告宣伝費は以前の半分以下に抑えられている。ほかにも、2カ所の冷蔵庫を1カ所に集約したほか、売り場の天井照明を一部消灯するなど低コスト運営を徹底する。この結果、対売上高営業利益率は3%台に達した。さらにコスト削減を図り、「最終的には5%まで高めるのが、今後の目標」(同)という。