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鴎友学園 知識不要、時事問題で問う生徒の思考力 入試問題でわかる 名門中学が求める子ども(4)

2013/12/19

入試問題は、いわば「わかる子にだけわかる暗号」。正解に至るための暗号を一つひとつ解いていけば、そこに込められた学校からのメッセージが見えてくる。そして、受験生たちはその暗号を解くために、勉強をしているといえる。本企画では、毎回1校に、実際の入試問題に込めた狙いを聞く。そこから、各校の学力観・教育観を明らかにしていく。

今回紹介するのは、東京世田谷区にある鴎友学園女子中学高等学校(以下、鴎友)。

1935年に、府立第一高等女学校の同窓生たちが創立。府立第一高等女学校の名校長・市川源三を校長として迎える。良妻賢母志向が強かった当時すでに「女性である前にまず一人前の人間であれ」「社会の中で自分の能力を最大限発揮して活躍する女性になれ」と教えた。 さらに、内村鑑三、津田梅子の薫陶を受けた石川志づが後を継ぎ、キリスト教精神と国際理解教育を定着させた。

鴎友学園女子中学高等学校。2013年春は東大合格者11人を輩出した

「英語の鴎友」と呼ばれるように、「オールイングリッシュ」と「多読」を早くから取り入れた英語教育には定評がある。「園芸」の授業も有名だ。学校敷地内に実習園と専用の講義室がある。「植物はたやすくは育ちません。一生懸命世話しても、自分の思うように育ってくれるわけでもありません。でも気持ちを込めて水をやれば、必ず甘い果実を実らせます」と吉野明校長。

同校の入試は2月1日、2日、4日の3回行われる。「求めているのは一問一答的な正解を出す力ではありません。少し長めの、ヒントがたくさん詰まった問題文を読んでもらい、あたかも出題者と対話をしているかのような気持ちで、『私はこう思う』を表現してほしいと思っています。だから、本校の入試は4教科それぞれ50分間と、試験時間が長いのです」(吉野校長)。

鴎友の入試には、ちょっとした名物がある。問題の冊子の表紙に校長からのメッセージが印刷されているのだ。2013年度、入試の1時間目の「国語」の問題の表紙には、次のようにあった。

いよいよ入試が始まります。今日までよくがんばってきましたね。今までコツコツと勉強してきた自分を信じ、最後までがんばってください。みなさんの持っている力が十分に発揮されることを願っています。ゆっくり深呼吸をし、心を静め、開始時間を待ちましょう。

■事前知識は不要。時事問題をネタに、思考力を確かめる

ゆっくり深呼吸をして、中学受験生の気持ちになって、2013年1次入試の社会の大問3に挑戦してみよう。

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