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東京ゲームショウの目玉は「脇役」にあり

キーワードは"ジャンプ、タッチ、フライト"

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NIKKEI STYLE

今年もゲームの祭典の季節がやってきた。アジア最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ(TGS)2010」が16日、千葉県の幕張メッセで開幕し、ゲーム業界関係者やマスコミ向けに公開された。一般公開は18日からで、期間を通して約18万人の来場を見込んでいる。

今年も任天堂は不参加。これまで同様、米マイクロソフトとソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用ゲーム機がTGSの顔だ。ただ、事前に漏れ伝わっていたとおり、人気タイトルの最新作の影は、昨年に比べて薄い。世間を驚かすような新たな発表もなかった。

といっても目玉はちゃんとある。それは従来、TGSの主役だった家庭用ゲーム機向けの大型タイトルではなく、「脇役」にあった。

主役を食う「オプション品」

今年の注目タイトルは、シリーズ累計で1200万本を売ったカプコンの「モンスターハンター(モンハン)」の最新作、SCEの携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」向けに12月発売予定の「モンハン 3rd」くらい。カプコンのブースには、一足早く試遊しようと来場者が殺到し、長蛇の列ができていた。これを超える人気を集めていたのは、ゲーム機本体やソフトではなく「オプション品」である。

来場者が殺到したのは、米マイクロソフトの家庭用ゲーム機「Xbox 360」で体感型ゲームを楽しめる「Xbox 360 Kinect(キネクト)センサー」の試遊コーナー。キネクトは家庭用ゲーム機で初めて、コントローラーを使わずに体の動きだけでプレーできる新システムで、試遊の待ち時間は最長で100分以上に達した。

キネクトのコンセプトと試作品は昨年のTGSで公開され、今年9月8日にXbox 360のオプション品として「11月20日から1万4800円で販売する」と発表していた。だが、具体的にどんなゲーム内容で、どう遊ぶのか、その全貌が今回、余すところなく披露された。

わかりやすく表現すれば「コントローラーのないWii」。何も持たずに、その場でジャンプしたり、手を振ったり、踊ったり……。その動きをテレビ近くに設置するセンサーのカメラがとらえ、画面に映る自身の分身やキャラクターの動きに反映する。はやりの「AR(拡張現実)」技術を取り入れた次世代ゲームとも言える。

SCEは3Dの体感ゲームも

例えばオプション品に同梱されるソフト「Kinect アドベンチャー!」は、ゴムボートに乗ったキャラクターを操り、障害物を避け、アイテムを入手しながら、激流の川を下っていくゲーム。ジャンプすればゴムボートが飛び、右や左に動けばゴムボートの方向を操作できる。

任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」への対抗心をあらわにするかのように、「体で答える新しい脳トレ」や「Kinect スポーツ」、「ユアシェイプ フィットネス・エボルブ」といった類似タイトルも並ぶが、何も持たずに全身を使うだけという操作方法が斬新さを感じさせる。一般公開では数時間待ちになること必至だ。

同じく、「プレイステーション3(PS3)」で体感型ゲームを実現するオプション品「PlayStation Move」を今年10月に国内投入するSCEのブースも、にぎわいを見せていた。こちらはWiiと同様、棒状のコントローラーを必要とするだけに、インパクトは薄れる。だが、3D(3次元)映像に対応するオプション品のメガネをつければ、立体で体感型ゲームが楽しめるとあって、試遊コーナーは活況を呈していた。

ここまでは、TGSの主役を張ってきた家庭用ゲーム機の世界。続く目玉は、その枠からも外れた脇役だ。

 大手ゲームソフトメーカー、コナミのブースの一角に、異様な熱気を放つコーナーがあった。任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」向けのソフトとして火が付いた恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」。その業務用ゲーム機「ラブプラスアーケード」の試遊コーナーである。

ラブプラスは、ゲーム内のキャラクターとコミュニケーションを繰り返し、上手に"彼女"の好意を得ることで、告白されることを目指すゲーム。付き合ったあとも、デートを重ねながら、彼女とのコミュニケーションを長く続けることができる。

DS版は恋愛ゲームとしては異例の24万本の大ヒットとなり、アップルの「iPhone」向けシリーズ作品もヒットした。熱海の観光協会が、"彼女"と一緒に楽しめる旅行イベントを企画したところ、お客が殺到するなど、ラブプラス現象は広がりを見せている。業務用版のラブプラスアーケードは、その現象をさらに加速させそうな可能性を秘める。

秋葉原の試作機にファン殺到

実はTGSに先立つ7月24日、コナミはラブプラスアーケードの試作段階の実機を東京・秋葉原の店頭に設置し、ファンの反応をテストしている。TGSのブースで説明をしてくれたマーケティング制作部の担当者いわく「この時は、大変なことになった」。完成度は30%。前日にホームページで告知しただけで、実施はわずか2日間。にもかかわらず、初日午前10時のテスト開始と同時に数百人が殺到、200枚ほどの整理券が10分程度ではけたという。

人気の理由は、業務用版ならではの、新たなデートのシナリオやミニゲームと、「写真」にある。水着を着て目隠しをした"彼女"を誘導し、スイカを上手く割るゲームなどを、高精細の大画面で楽しむことができる。さらに、お土産としてデート中のシーンなどを写した「思い出フォトカード」も入手できる。十数種類のなかからランダムに出てくるため、コレクション目的で足しげく通うファンも出てきそうだ。

今回コナミは、完成度をより高めた実機をTGSに並べ、プレーできるようにした。ゲームセンターなどへの設置時期はまだ「未定」。それだけに、ラブプラスのファンが殺到する可能性は高い。加えてコナミは、もう1つの業務用ゲーム機を初公開した。「ラブプラスメダルHappy Daily Life(仮)」である。

こちらはスロット機などのメダルゲームコーナーに設置するための機種。まだプレーはできず、外観を眺めるだけの参考出展だが、プレーせずとも話題を集めそうな機能が、きょう体の上部にある「ホログラム」だ。

「ドキドキさせないで」

メダルゲームを進めると、上部の枠内に"彼女"がホログラムとなって立体的に出現する仕掛けが施されている。これをプレーヤーが触れると、「いやだ、もう…」「もう…、おどかさないで」「ドキドキさせないで」といったセリフとともに、"彼女"が体をくねらせるなどの反応を見せる。

2種類の業務用ゲーム機は、いずれも画面をタッチしながら遊ぶ。そこに"彼女"をタッチするという要素まで加えた初お披露目のラブプラスメダルを一目見ようと思うファンは多いはずだ。

タッチを多用したコナミの業務用ゲーム機も、キネクトと同じく体感型ゲームと言える。最後に紹介する3つ目の目玉も体感型ゲームだが、こちらはこれまでになかった相当に斬新なゲーム。無名のメーカーによる会場の端の小さなブースでの出展だが、マスコミの注目度は一番と言っていいほど高かった。

一躍スターダムにのし上がりそうな「新人」の正体は、空飛ぶラジコンのヘリコプターを利用したゲーム「AR.Drone」。開発したのは、主に携帯電話の周辺機器を手掛けるフランスのベンチャー、パロットだ。

 50センチメートル四方の薄型の物体が垂直に浮き上がり、その後、縦横無尽にブース内を飛び交う。機体中央から伸びた節の先に4つのプロペラ付いている。ウレタン製ボディーのラジコンヘリは、総重量420グラムで、飛行高度は最高6メートル、時速は最高18キロメートル。操縦するのは、iPhoneまたは「iPod touch」だ。

機体には2つのカメラが内蔵され、機体から見た実際の映像が無線LANを通じてリアルタイムでiPhoneに送られる。プレーヤーはその映像を見ながらiPhoneを傾けたり、画面内のボタンをタッチしたりして、機体を自在に操ることができる。ミニチュアのパイロットとして機体に乗り込んだような不思議な気分。試遊する誰もが画面を見ながら思わず体を傾けていた。

これだけでもかなり面白いが、AR.Droneはゲームとして開発されたもの。単なるラジコンヘリではない。内蔵カメラが「タグ」と呼ぶ目印を頼りに周りの位置を認識し、ヘリの向こうにモンスターなどの敵を仮想的に合成してミサイルで撃つといったシューティングゲームが楽しめるのだ。

2台のヘリで対戦も

2台のiPhoneを使って2台のヘリを飛ばせば、互いを敵機と見立てて対戦することも可能。開発プラットフォームを公開しており、世界中の技術者がヘリを使ったゲームの開発に参画できるようになっている。ただし、今回のTGSではゲームを楽しむことはできず、飛ばして遊ぶだけ。ゲームは、パロットのスタッフがデモで見せてくれた。

だが、それでも十分なほどインパクトは強い。試遊の整理券は早々になくなり、時間が経つにつれ取材陣も殺到。テレビ各社の取材に対応するため、試遊の時間を急きょ削ったほどだ。

機体本体は、今年8月に欧州で、9月上旬に米国で発売済み。その反応をパロットの広報担当者に聞くと、「アメイジング!」との答え。販売実績は非公開というが、日本でもTGSに合わせて9月16日に販売を開始した。現時点では、一部のソフトバンクモバイルの店舗とネット通販の「アマゾン・ドットコム」のみだが、順次拡販していくという。

映像を受け取り、ヘリを操作するアプリケーションは、アップルのソフト配信サービス「アップストア」で無償配布している。ゲームのアプリケーションはまだ配布されておらず、まずはパロットが自社開発したシューティングゲームを「近日中に配布したい」とする。AR.Droneを開発したプロジェクトマネジャーのミケール・パストー氏は、こう話す。

「車載用のハンズフリー通話キットなど、携帯電話の周辺機器を開発しており、その技術をゲームでも生かせないかと考えた。手始めに、iPhoneでラジコンカーを操作するゲームの開発をしたが、床を走るだけで面白くなかった。何かが足りない。じゃあ、空を飛ばそうと思いたち、この形に至った。ほかにない独自のシステムであり、約20の特許が詰まっている」

「東京"コンソール"ゲームショウ」の今後は

話題性は抜群だが、唯一の難点は価格。国内では、機体本体が4万3800円とかなり高い。199ドル、199ユーロという欧米の値付けからすると割高だが、広報担当者によると「税金などの問題で仕方がない」という。ただ、TGSを盛り上げる目玉であることに違いはない。

昨年より14社多い194の企業・団体が14カ国・地域から出展したTGS。その主役は長い間、家庭用ゲーム機向けの大型タイトルや、人気タイトルの続編だった。しかし今回のTGSは違った様相を見せている。iPhoneや「iPad」向けゲーム専用のタイトルが昨年から大幅に急増し、合計で70以上となった。そして、目玉は脇役が占めた。

世界のゲーム市場を見渡せば、家庭用ゲーム機は下降トレンドにあり、逆に携帯電話やパソコン向けの「ソーシャルゲーム」が急成長を遂げている。ソーシャルゲームとは、ネットワークを通じてほかのユーザーと協力し合ったり、コミュニケーションをしたりしながら楽しむゲームのこと。今年は、中国から昨年比2倍にあたる約30社が出展しているが、多くの企業は携帯電話やスマートフォン、パソコン向けのソーシャルゲームを強調していた。

「主役交代」。今年は、そんな言葉の兆候を随所に感じた2010年のTGS。家庭用ゲーム機は「コンソールゲーム」とも呼ばれる。「東京"コンソール"ゲームショウ」は、踊り場にさしかかっているのかもしれない。

(電子報道部 井上 理)

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