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職場の知恵

2013/7/18

職場の知恵

ツイッターは「つぶやきとリプライ」、フェイスブックは「記事とコメント」で、書き手と読み手が交流していく。共感が広がり、交流を深める文章のポイントは、上手な文章よりも親しみを感じてもらえる文章であること。「自分らしい言葉遣いで、ある程度話すようなつもりで書いていいのです」と前田さん。

ビジネス文書のようなかしこまった表現よりも、書き手のキャラクターや公開範囲に合わせて、ふさわしい言い方をすればよい。「ありがとうございました」も「みんなー、ありがと」「感謝、感謝です」など、普段の会話のように書くことで、個性が立ち上がる。人となりが伝わることで、自分と感度の合う人との交流が生まれたり、深まったりするのだ。

そして、最も重要なのは読む人に伝わるように、誤解を受けないように書くことだ。1文に多くの内容を盛り込み過ぎず、50字以内を目安にする。修飾語を乱用するよりも、実感のある比喩を使うことで、自分らしさを表現したい。

例えば「アスファルトが溶けだすかと思いながらの外回りでした」「雨でぬれた裾が、泣きべそをかいたときの息子のように、張りついています」など、暑いと言わずに暑さを、手あかのついていない言葉で雨の様子を伝え、変化をつける。

気を付けたいのは、親しみやすさを出すつもりで、感嘆符などの記号や顔文字を多用してしまうことだ。(笑)や顔文字などの記号化された表現は、文章を同質化する。さらに「記号や顔文字に置き換えれば、言葉で細やかに表現するための努力や工夫が不要になります。表現する能力が衰え、文章を上達させる機会も失っているのです」。

そっけない文章に柔らかさを出したい、自分のキャラを変えて見せたいなどの意図があって顔文字などを使うとしても、1投稿1カ所くらいに抑えておきたい。また、感嘆符や疑問符は必要性を吟味して使う。

むしろ、「人となり」が如実に出るのが言葉の選び方だ。言葉にはポジ語(ポジティブな言葉)とネガ語(ネガティブな言葉)とがある。公開記事がいつも愚痴や批判、ネガ語ばかりなら、これから会う人にマイナスの先入観を与えることにもつながる。逆もまた真。

「SNSは、日常の隙間時間を使ってできます。意識してポジ語を使うようにしていると、自分の行動や考え方にも影響を及ぼすのがいいところ。『どのような人に見られたいか』を、ある程度意識して書くことも大切です」。

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