脂にも複数の種類 取り方の比率を考えて
脂をどう取るかも考えなければいけない。脂には大きく分けて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。肉に含まれているのが飽和脂肪酸で、植物や魚に含まれているのが不飽和脂肪酸と考えてください。なるべく不飽和脂肪酸が多い方がいいのですが、肉の中に必要な栄養素があるので肉はゼロにしてはいけない。だから、1対1にしたらいいと言ったのです。
不飽和脂肪酸の中に「オメガ3」、「オメガ6」、「オメガ9」というのがあります。その比率も非常に重要になります。
「オメガ3」というのは魚、えごまなどです。DHA、EPAと言われている血管にいい脂ですね。「オメガ6」というのはサラダオイルです。ポテトチップスとかコンビニにある加工食品に使われているのはほとんど6番です。加工食品が多くなればなるほどオメガ6の割合は高くなります。「オメガ9」というのはオリーブオイルとか、アボカドで、これは血管にいい作用があります。
3番と6番の比が重要で、1対1が理想的です。そうなればほとんど動脈硬化は起きません。6番の比率がだんだん多くなると、動脈硬化、炎症が進んでいきます。炎症を起こすアラキドン酸というのをつくっていきますので。厚生労働省が3番と6番の比を調べると現状は1対10から1対20なんですね。厚生労働省はせめて1対4くらいにしましょうと言っています。そのくらい6番が氾濫しています。
――脂だけでもいろいろ考えなければいけないんですね。
白澤 バランスを考えるときに、炭水化物が何%かといったマクロバランスのほか、肉や魚の中に入っている脂肪酸の割合も、考えなくてはいけません。
“健康おたく”が長生きできる時代
――お酒はほどほどならばいいのでしょうか。
白澤 僕は赤ワインをお勧めしています。いろいろな研究調査から赤ワインは心臓病の発症率を下げる。レスベラトロールというポリフェノールが長寿遺伝子を活性化するということが分かってきています。
量のことは言っておかなければいけませんね。アルコールで30グラムまでというのが一番いいというデータがでてきています。ビールはアルコール度数が5%くらいなので約600ccですね。ワインは約12%なのでグラス3杯、270ccくらいでしょうか。
――健康を維持するためには、食生活についてしっかりした知識が必要ですね。
白澤 いまは、健康おたくの人が長生きできる時代だと思います。知識がないと正しい選択ができません。
(ラジオNIKKEIプロデューサー 相川浩之)
[ラジオNIKKEI「集まれ!ほっとエイジ」8月27日、9月3日放送の番組を基に再構成]