渡された「血糖値測定器」。一日に7回も血糖値を測らなければならなくなった

幸いなことに、私は成人科のナースプラクティショナー(NP)として、食事療法の仕方や痛くない血糖値の測定の仕方などを、一通り心得ている。そんな私に対して、産科の糖尿病認定看護師は、胎盤から出るHPL(ヒト胎盤性ラクトーゲン)というホルモンの影響で、リスク要因がなくても妊娠糖尿病になることがあることを、長い時間をかけて根気よく説明してくれた。

妊娠糖尿病は胎児への影響があるから真剣なのだ

その上で血糖値測定器を渡されたが、「1日に7回(1日3食の前後と、就寝前)測ってくださいね」と言われて、その頻度に驚いた。さらに食事の2時間後のターゲット血糖値は120mg/dL未満、空腹時は90mg/dL未満と、私が2型糖尿病の患者さんに普段指導している数値よりも厳しい。2型糖尿病と違って、妊娠糖尿病は胎児への影響があるから真剣なのだ。

「糖尿病の影響より、自分が毎日傷だらけの指でC型肝炎など感染リスクのある患者さんの内診などをしていることの方が、赤ちゃんへのリスクという意味では不安だ」と心の中で思ったが、言っても仕方がない。その点については、バンソウコウだらけの手に手袋をして、手袋に穴がないことを祈るしかない。

さて、妊娠糖尿病と診断されて最初の1週間。私は色々なものを食べて、自分の体で研究してみた。面白いことにタルトや生クリームたっぷりのケーキなどの甘いものも、1/3くらいずつ、なんらかのたんぱく質と一緒に摂りながら1個をゆっくり食べると、さほど血糖値は上がらない。一方、白米やパスタを食べると血糖値が確実に上がることや、バーベキューソースやトマトソースなどの調味料類にも多くの糖類が入っていることが分かった。

そこで、おかずの塩分を減らし、主食なしでおかずやサラダのみを食べることにした。また、食後にじっと座ってカルテを書いていたりすると数値が高めに出るので、食後は必ず散歩するか階段を上るようにしてみた。そうやって、目標の数値を保つことができるようになり、そのまた2週間後に受診した母体胎児専門医からは褒められた。

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仕事で忙しくて運動ができず、食事も作れない