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仕事と子育ての「両立」は米国でも容易でない 米国NPの診察日記 緒方さやか

2013/6/18

米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、さまざまな切り口で、米国社会とそこで働く女性の現状を紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回取り上げるテーマは、米国におけるキャリアと家庭の両立問題――。米国でも「両立」は容易ではないのだとか。

■職場近くの保育所は一週間で5万円もかかる

2012年に妊娠が分かってから、漠然と思い描いていたキャリアと家庭の両立の夢が、現実の課題として迫ってきた。アメリカでの制度上の産休・育休は、わずか12週間(注1)。上司に頼めば、2~3週間ほど延ばしてもらえるかもしれないが、いずれにしても保育所やベビーシッターを活用せざるを得ない。

仕事場の近くの保育所は、お昼休みに授乳しに行けるのがありがたいが、1週間500ドル以上と高額で、経営者の印象が悪かった。家の近くの保育所は2割ほど安くなるが、空きが出る保証がない。掲示板などを通して日本人の留学生などをベビーシッターとして安く雇うことは可能かもしれないが、子供の命を預けるわけだから、どうしても不安だ。仕事を週2~3日に減らし、しばらくは子育てに注力することも考えられるが、できれば今まで通り働きたい。でも、ダンナは、今のところ主夫になる気はなさそうである。

米国の保育園の様子

私はかつて、日米どちらの大学に進もうか迷った際、「将来、女性としてキャリアと家庭を両立しやすそうだから」という理由でアメリカを選んだ。日本に戻る道を諦めてまで欲しかった「両立」の道だが、いざ周りで子供を持つ人が増えてみると、アメリカでも「両立」は決して容易でないことが分かる。

男性が家に残って「主夫」となったケースもまれには聞くが、ほとんどの同世代の知り合いの家庭では、女性が勤務時間や日数を減らすか、「子供が1~2歳になるまでは」と仕事を辞めて対応しているようだ。アジア系やラテンアメリカ系の家庭では、親が近くに住んでいる場合、子供の世話を親に頼むこともある。もう少し裕福な家庭では、通いの乳母を雇って子供の世話を任せ、夫婦ともフルタイムで働き続ける例もあるが、子供への影響が心配で非常に苦しい決断のようだ。

子供が生まれる前は仕事に戻る気でも、「生まれてみたらどうしても置いていく気になれなくて…」という女性の話もよく聞く。自分はどうなるのだろうか。

注1)育児介護休業法 (Family Medical Leave Act)によって、 過去12カ月にその会社で1250時間以上働いた経験がある人は、自分の病気、病気の家族の世話、もしくは出産などの理由で、12週間まで無給の休みが保障されている。ただし、会社に5人以上の従業員がいなくては適用されない。育児介護休業法に加えて、長めの産休が取れる法律が制定されている州もある。

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