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結婚より「卵子の凍結保存」を希望する米国女性 米国NPの診察日記 緒方さやか

2013/6/4

 米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、さまざまな切り口で、米国社会とそこで働く女性の現状を紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回取り上げるテーマは、米国シングル女性の妊活――。結婚を焦る前に、卵子を冷凍保存する人もいるのだとか。

 米国では、医師以外に、処方も含めて「診療行為を行う者」が多種類存在している。私の仕事はその一つ「ナースプラクティショナー(NP)」。簡単にいうと、看護師と医師との間に存在する職種。医師と並んで担当患者を持ち、診察、診断、処方などができ、州によっては開業することもできる。日本に同様の職種はまだない。

 現在、ニューヨーク、マンハッタンの外来クリニックで、主に移民の患者さんを担当している。成人のプライマリケア(総合診療)を担うナースプラクティショナーとして、風邪や肺炎、糖尿病、高血圧などの疾患のほか、時には性病検査、鬱病、生理不順にまで対応する。

 ナースプラクティショナーになるには、米国では、2年間程度の厳しい修士課程を一定以上の成績で終え、さらに認定試験を通らなければならない。

 さて、このコラムでは米国ニューヨークに暮らし、現役ナースプラクティショナーとして働く著者が、日常診療のエピソードなどを交えながら、リアルな米国の姿を紹介する。1回目はニューヨーク女性の妊活事情だ。

■不妊症ではないのに…なぜ?

 久しぶりに、心理セラピストの女性の友人Aと会うことになった。「2人に1人は、セラピストか精神科医が必要」と冗談交じりで言われるマンハッタンで、セラピストとして開業するAは、多くのクライアントを持って成功しているニューヨーカーである。

 30代後半になり、成功したワーキング・ウーマンらしく自信に満ちあふれた彼女だが、お化粧や買い物のような「女性っぽい」ことは大の苦手だという。いずれは結婚したいし、子供も欲しいと思いつつ、仕事で忙しい毎日を送ってきた。女性の多い分野で働いてきたこともあって出会いがなく、ここ数年はもっぱら結婚相手探しに熱中している。幸い、3カ月ほど前に結婚相談所を通じて出会った男性とは、気が合い、とてもうまくいっている、と彼女は電話でうれしそうに話してくれた。

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