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個人向け社債は冷静にリスクを確認 債券&預金は本当に“安全”か?(3)

2011/5/27

お買い得社債は減少傾向へ

 

 過去3年以内で販売された高利回りの個人向け社債をリストアップした(右表)が、この水準の金利がつく社債の登場は今後あまり期待できそうもない。

 「3年前の金融危機の際は格付け自体に対する不安が高まった。そのため実際は危険ではない企業の社債の金利も高まる結果となり、割安な高利回り社債も登場した。今回は震災の影響は特定の事業に限られる。お買い得社債は出てこないでしょう」(前川さん)

 震災後、個人向け社債の起債を予定していた全日本空輸は募集を中止。直近では野村ホールディングス(4年・0.88%)とオリックス(4年・0.60~1.60%)が起債しているが、見通しが不透明な今はリスクに見合った金利を提供できる企業は多くない。当面の起債ペースはやや鈍化していくことが予想される。

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(注)2000年から10年。日本格付研究所調べ

【個人向け社債のリスクを正しく知ろう

1 累積デフォルト率を確認

 右の表は格付けごとのデフォルト実績率(債務不履行が実際に発生した率)をマトリクスにしたもの。自分の投資先の格付けと比較し、見合ったリスクかどうかを確かめよう。

 

2 CDSと比較

主なCDS市場の取引価格が一覧できるサイト。市場の評価との比較ができる。J-CDS http://www.j-cds.com/jp/

 CDSは対象企業がデフォルトした際、投資家が売り手の損失を補てんする代償として保証料を得るデリバティブ。保証料を1bp=0.01%として換算し、実際の社債の利回りと比較しよう。

 

3 流動性リスク確認

 社債を売却したい場合は購入した証券会社に依頼するしかない。現在持っている社債を売りたい場合は価格を問い合わせみよう。基本的に償還まで持ちきるつもりで投資しよう。

 

4 社債の種類を確認

 個人向けに募集される社債にもいくつか種類がある。元利金の支払い順位が普通社債よりも低いのが劣後社債はその分金利も高く設定されているが、デフォルト時のリスクは高い。

(日経マネー 坂崎絢子)

[日経マネー2011年6月号の記事を基に再構成]

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