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働くママの寝不足解消、夜泣きは泣かせ尽くしも効果

米国NPの診察日記 緒方さやか

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NIKKEI STYLE

 米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、さまざまな切り口で、米国社会とそこで働く女性の現状を紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回は赤ちゃんの夜泣きについて。米国と日本では夜泣きへの対応が異なるのだとか。

私がアメリカに住んでいた小学校低学年のころ、友人宅で、まだ乳児であった友人の妹がベッドルームで延々と泣いているのに、皆が聞こえないふりをしているのに異様な印象を受けたものだ。今思えばこれこそが、"Cry it out (泣かせ尽くし)"と呼ばれるアメリカ流の寝かしつけ方法だった。

新生児でも、別の部屋で一人で寝かせる米国

親しい患者さんであれ、スーパーマーケットの中で声を掛けてきた他人であれ、挨拶代わりに、「どう? 赤ちゃんは(一晩中)寝てる?」と聞かれることがよくある。子供はできるだけ早く自立させた方がよいというアメリカ人の考え方に基づくのか、中流階級以上の家庭では、生まれたばかりの新生児でも、別の部屋で一人で寝かせることが多い。

子どもが一晩中続けて寝られるかどうかは大きな関心事で、多くの本が出版されている。中でも有名なのは、ボストンの小児病院で小児睡眠障害センター長を務めるファーバー医師による方法。最初に寝かしつける時も、夜中に赤ちゃんが起きた時でも、部屋で一人で泣いている赤ちゃんをすぐにあやさず、決まった時間(最初の日は3分)待ってから、 ベビーベッドの外から数十秒間、声を掛けたり触ったりして赤ちゃんをあやし、たとえ泣き続けていても、また部屋を去るというものだ。そうして少しずつ、その間隔を長くしていき、親がいなくても自分一人で寝入ることを教えていく。

ちなみに、南米やアジアからの移民たちの間では、添い寝(cosleeping)が一般的。アメリカ人でも、ナチュラル派や母乳育児促進派の人たちの間では添い寝がはやり始めているものの、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるとして白い目で見られることもいまだに多い。実際、米国小児科学会は2011年に、添い寝に反対する声明を出している。だが、親たちが肥満であったりアルコールを飲んでいる場合を除き、添い寝は逆にSIDSを減らすという報告もあり、論争は続いている(Paediatr Respir Rev. 2005; 6:134-52.)。

私自身は添い寝で育ったし、母乳育児には最適だということもあり、 私は最初から添い寝を選択した。わが家には布団も畳もないので、ベッドフレームを解体し、マットレスを直接床に置いた。最初の数カ月は、2~3時間おきに授乳するのも寄り添うだけで済み、ベッドを出てミルクを作ったりすることに比べれば、比較にならないほど楽だった。

しかし、職場復帰後、生後4~5カ月を過ぎ、ママ友の赤ちゃんたちが継続して5時間以上の睡眠を次々と達成する中、わが家の息子は逆に、夜中に起きて私が授乳する回数がどんどん増えていった。昼間、仕事で離れていて寂しいからだろうか。はたまた、24時間営業のバイキングレストランで寝ているようなもので、眠気より食欲が勝ってしまうのだろうか。夜中に6~7回起きることが毎日続いた。

息子は断固ミルクを拒否するので、夫に代わりも頼めず、共働きなのに夜当番は私だけ。夫婦喧嘩も増えていく中、ファーバー氏の本『Solve Your Child's Sleep Problems』によれば、「泣いても無駄だと赤ちゃんに学ばせる」という考え方はあまりに厳格すぎると感じ、ファーバー方式を始めるのを拒否していた。おしゃぶりの使用、音楽、眠りにつかせるための合い言葉、就寝直前におかゆを与える、などの方法などを取り入れたが、夜中に頻繁に起き、授乳をしないと寝てくれない状況は変わらなかった。

わが家でファーバー方式を導入してみたら……

そんな中、夫が、小さな子どものいる友人宅に泊まる機会があった。そのお宅ではファーバー方式を採用したところ、早くから10時間も続けて寝るようになったという。夫は、ファーバー方式を試すべきだと強く主張してきた。私も人の命を預かっている身であるから、寝不足のために仕事でも頭が回らないようになってきては困る。息子が生後10カ月になった頃、ぼーっとした寝不足の頭で、提案を承諾した。

最初の晩は、数分とはいえ、子どもが泣いてもすぐにあやしにいけないのがつらく、トランプをしたりして気を紛らわせなければいけなかった。しかし、ファーバー方式を1週間試した後、息子はなんと、夜9時から朝3時か4時まで続けて眠るようになった。その間、数回起きてぐずっても、3分以内にまた寝てしまう。私たちは真のファーバー方式にはせず、夫婦のベッドの横に置いたベビーベッドで寝かせていたし、仕事で昼間を一緒に過ごせない分、添い寝を完全にやめたくはなかったので、現在は、明け方に息子が起きると、ベビーベッドから出して添い寝で授乳しながら寝ている。

この折衷案のおかげで、今までよりもまとまった睡眠が取れるようになり、朝は大事な赤ちゃんの隣で目を覚ますという、今の私たちにとっては理想的なスケジュールが出来上がった。ファーバー方式を誰も彼もに推奨するわけではないが、わが家にとっては苦肉の策とはいえ有効だった。

ちなみに、赤ちゃんがまとまって眠ってくれるようになっても、ストレスや夫婦喧嘩がなくなるわけでは、全くない。幸い、わが家の夫婦喧嘩は減ったが、ファーバー方式を強く勧めてきた夫婦は、家事の分担に関して、夫の目の前で、何度も冷ややかなイヤミを言い合っていたそうだ 。いやはや、子どもを育てるというのは大事業だ。

最後に、ファーバー方式を試みようという読者の方がいたら、生後3カ月未満、旅行中や病気の時、また、発育が十分でない場合などは、この方法は適切でないことを考慮していただきたい。また、ファーバー氏が勧めているように、まず、ご近所に一言断ってから試す方が良いだろう。警察に通報されてパトカーがやってきては、寝かしつけどころではないだろうから。

緒方さやか(おがた・さやか)
婦人科・成人科ナースプラクティショナー(NP)。2006年米イェール看護大学院婦人科・成人科ナースプラクティショナー学科卒。「チーム医療維新」管理人。プライマリケアを担うナースプラクティショナーとして、現在、マンハッタンの外来クリニックで診療にあたる。米ニューヨーク在住。

[日経メディカルオンライン 2013年10月24日付記事を基に再構成]

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