2011/6/17

東京ふしぎ探検隊

一番深い駅は六本木駅、42.3メートル

昭和2年(1927年)の浅草~上野間の開通に始まり、80年以上の歴史がある東京の地下鉄。新しい路線ができるたびに、より深い場所へと潜っていった。東京で一番深い地下の駅はどこか。東京地下鉄、東京都交通局にそれぞれ尋ね、まとめてみた。

最も深いのは、2000年に開通した都営大江戸線の「六本木」。深さはなんと42.3メートルもある。何度も何度もエスカレーターを乗り継いでようやくたどり着く。はじめて訪れたときはかなり驚いた。2位は千代田線の「国会議事堂前」で37.9メートル。10位以内には南北線や副都心線、都営大江戸線など比較的新しい路線が並んだ。

では、一番長いエスカレーターはどこだろう? ランキングに出てくる深い駅かと思いきやそうではなく、千代田線の「新御茶ノ水」。聖橋方面出口に向かう場所にあり、長さは41メートルにもなる。ちょうどニコライ堂がある辺りだ。この出口は坂道の上にあるため、意外に深くなった。上下2本ずつ4本あるエスカレーターは実際に乗ってみると傾斜が急で、相当な迫力がある。

深い場所とくれば、次は高い場所。地下にあるから地下鉄と呼ぶわけだが、一部の区間は地上を走っている。東京で一番高い場所にある地下鉄の駅はどこか。問い合わせたところ、日比谷線の「北千住」が地上14.4メートルで最高だった。北千住駅は東武線やJR線、千代田線などが乗り入れるターミナル駅。もともと1階部分にあったが、駅の改良工事に伴い3階に移転した。乗り入れの関係で高い場所となった。

2番目に高いのは銀座線の「渋谷」で12.1メートル。渋谷はもともと渋谷川の浸食によってできた谷であり、隣の表参道駅とはかなりの高低差がある。こうした地形が駅の位置を決めたようだ。



東京一長いエスカレーターがある新御茶ノ水駅周辺は坂道になっている
地上14m超を走る日比谷線(北千住駅周辺)
約17mあるエスカレーター(都営大江戸線飯田橋駅)

それにしても、乗り換え探しの旅は予想以上に大変だった。なるべく混んでいない時間を選んだものの、そうした時間は電車の本数が少ない。ましてや今は節電ダイヤ。1回下りてホームを歩くと、かなりの時間をロスしてしまった。歩いた距離も膨大だ。ずっと歩数計を付けていたら、トータルではフルマラソン並みの距離を歩いていた。東京は意外に歩かされる、とよくいわれるが、身をもって体験した今回の探検だった。(電子報道部 河尻定)

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