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さらに厳しく 年金開始年齢70歳時代に備えよう 経営コンサルタント 岩崎日出俊氏

2013/1/25

老後に暮らしていけるだけの年金が果たしてもらえるのだろうかといった年金不安が、若い世代に広がっている。しかし、「公的年金の保険料をしっかり払った上で、足りない部分を自助努力で積み立てれば大丈夫」と経営コンサルタントの岩崎日出俊氏はアドバイスする。「年金不安を乗り切る」ための、公的年金と「自分年金」の基礎知識とは――。

――若い世代には将来、年金がもらえるのかという不安と、年金制度に対する不信感があるように思えます。

いわさき・ひでとし 1953年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本興業銀行に入行。スタンフォード大学経営大学院で経営学修士取得。98年より2003年までJPモルガン、メリルリンチなどの外資系投資銀行(マネージング・ダイレクター)を経て、現在、経営コンサルタント会社「インフィニティ」代表取締役。 主な著書に「投資銀行」(PHP研究所)、 「リーマン恐慌」(広済堂出版)、 「サバイバルとしての金融」「金融資産崩壊」(祥伝社新書)、「M&A新世紀」(KKベストセラーズ)、「定年後 年金前」(祥伝社新書)、「マネー大激震」(ベスト新書)、「自分年金をつくる――今からでも遅くない!」(ベスト新書)などがある。

岩崎 年金の保険料を払っていない人が多いと聞いて不安になる人が多いようですね。よく「年金の保険料の未納率が41.4%にも上った」といった数字が新聞や雑誌に載ります。これを読むと、「4割もの人が、年金保険料を払っていないとすると、年金財政は将来完全に行き詰まるのではないか」と不安になります。

■年金保険料未納は財政とは別問題

でも、未納率41.4%(2011年度)というのは、自営業者とか、就職する前の学生などが加入する「国民年金の未納率」なのです。これはこれで大きな問題なのですが、実は年金制度全体を根底から揺るがすような問題ではありません。

なぜなら、サラリーマンが加入する厚生年金については、保険料が毎月の給料や賞与から天引きされる形になっていますので、未納がほとんど生じていないからです。

国民年金加入者が年金としてもらえるのは、いわゆる1階部分、つまり老齢基礎年金だけです。そして、この部分は、国民年金だけでなく、厚生年金や共済年金も加わって、財政基盤を共通化させています。いわば、厚生年金や共済年金から支援が行われる形になっていますから、国民年金の未納者問題によって、国民年金が財政的に成り立たなくなることはないのです。そもそも、保険料を払っていない人は将来年金を受給できないわけですから、年金財政上の問題が出てくることはないのです。

――年金保険料を払っていない人は全体でみるとどれくらいの割合なのですか。

岩崎 年金保険料を払っている人は、厚生年金や共済年金も含めて、全体で6800万人います。一方、「2年以上にわたって不払いを続けている人」は約321万人いますので、不払い者は全体の4.7%ということになります。

■生活保護制度はあてにできない

――制度としては問題なくても不払いの方は将来が不安ですね。

岩崎 そうですね。不払いの方は障害年金や遺族年金ももらえないので、万が一の備えも不十分です。「いざとなったら生活保護に頼ればいい」と考える若い方がいるのですが、いまの財政状況をみると、将来、生活保護に頼る人が多くなった場合、国としてきちんとした対応ができるかどうかは不透明です。年金保険料を払っておいたほうがいいと思います。所得が少ないなどで、保険料を納付することが難しい場合は、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」などを利用するといいでしょう。

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