2011年度の売り上げ約2350億円と、全国の百貨店トップに君臨する伊勢丹新宿本店(以下、伊勢丹新宿店)。“ファッションの伊勢丹”の顔であり、2013年で開店80年目を迎える同店は2012年6月から地下2階、1~4階を対象に順次リモデル(改装)を開始。2013年3月6日にグランドオープンとなった。総工費は約100億円、カテゴリーの再編成や売り場面積の増減、フロアイメージの刷新など、かなり大きな改装となっている。
リモデルのキーワードは「ファッションミュージアム」。そのテーマにふさわしい建築・インテリアデザインを手がけたのは、独創的なインテリアや建築のディレクションで国内外問わず評価が高い森田恭通氏と、フジテレビ本社ビルや西新宿の「モード学園コクーンタワー」などで知られる丹下都市建築設計の丹下憲孝氏。
伊勢丹新宿店は新宿御苑にも近く、昔の写真を見ると店内に緑が多かったことから“ファッションのパーク”をイメージし、目印となるものに人が集まったり目指したりする導線を視野に入れて設計。また、ファッションミュージアムを表現する要素として「チューブ」「アートフレーム」などが店内にインパクトを与える。
自主編集売り場もパワーアップ。モード系からスポーツアイテムまでそろう3階「リ・スタイル」では国内ブランドが多かった従来の取り扱いブランドの半数を入れ替え、海外ブランドを中心にして約100ブランドをラインアップした。初年度の売り上げ目標は2150億円としている。