歴代作が次なるヒットを生む
ヤングアダルト小説を映画化し、歴代11位の『ハンガー・ゲーム2』は、2位の『タイタニック』の「ラブロマンスとスペクタクル映像の融合」の流れをくむヒット作。米国では2014年11月に『ハンガー・ゲーム3』も控えており、現代のドル箱シリーズとして市場を支えている。
そして『アベンジャーズ』に象徴される「アメコミヒーロー」は、歴代4位と7位にもバットマンの物語『ダークナイト』シリーズ2本がランクインしており、2014年も『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』、『アメイジング・スパイダーマン2』、『X-MEN:フューチャー&パスト』(5月23日)、『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー(原題)』(8月1日)と、今や必須のヒットジャンルだ。
そして、歴代ランキングから分かる、もうひとつのキーワードは、歴代5位と6位のSF映画の金字塔『スター・ウォーズ』シリーズに象徴される「特撮」だ。その流れは、歴代18位『トランスフォーマー:リベンジ』や、2014年の続編『トランスフォーマー ロストエイジ』(6月27日)にも続く。さらに、クリストファー・ノーラン監督のSF映画『インターステラー』(11月7日)もある。ランキング外だが歴代52位の『インセプション』(同監督)のような特撮映像が見られるはずだ。
ハリウッドでは「CGアニメ」も数多く作られ、歴代8位に『シュレック2』が輝く。怪物シュレックの冒険をベースにおとぎ話のパロディーを詰め込んだ作風が、コメディー映画が大好きな米国人に大受けし、大ヒットシリーズに。大人も楽しめるコメディーアニメは、その後もトレンドとなり、2013年の『怪盗グルーのミニオン危機一発』も歴代26位の大ヒットに。
前述の『ハンガー・ゲーム2』(11位)は、大ヒットを記録したことで、ヤングアダルト小説の映画化という分野も切り開いた。その波に乗ろうと、2014年も「ヤングアダルト」作品が2本ある。人間とヴァンパイアの間に生まれた少女が活躍する『ヴァンパイア・アカデミー』と、人間が強制的に5つの共同体に別れて生涯を過ごす近未来で、どこにも属さない少女が命を狙われる『ダイバージェント』だ。
歴代作で分かった「勝ちパターン」を参考に新作を作る。これがハリウッドの強さだ。
