太らないカラダになる「水切り豆腐」活用レシピ
引き締まった美しいボディを手に入れるなら、たんぱく質は欠かせない。でも、肉は脂が気になる、魚は調理が面倒……そんな人にお薦めなのが、水切り豆腐だ。普段の食事に1/2丁の木綿豆腐を加えるだけで、たんぱく質9.9gが補える。つまり、成人女性が1日に必要なたんぱく質50gのうち約5分の1をプラスできるということ。
この大豆たんぱく質には、脂質代謝を改善する働きがある。不二製油事業本部の卓興鋼(きょうこう)さんらが国内外のヒトを使った大豆研究を比較分析した結果、大豆たんぱく質は高めのコレステロールや中性脂肪を低下させることが確かめられたという。さらに、「大豆たんぱく質の中には内臓脂肪や中性脂肪を減らす、β(ベータ)コングリシニンを含んでいる」(卓さん)ため、代謝アップが期待できる。
豆腐は女性ホルモンと似た働きを持つ、大豆イソフラボンも豊富。そのため、更年期症状を緩和するほか、美肌作用も期待できる。大豆たんぱく質とともに、肌の潤いを保つ美肌成分、セラミドの量が増えたという研究報告もある。
ダイエットにも美肌にも一石二鳥の豆腐。まずは1/2丁から食事に取り入れよう。
~水切り豆腐ならたっぷり食べられる~
毎日豆腐を1/2丁加えれば3つの効果が期待できる
1 カロリーを抑えてたんぱく質を増やせる
たんぱく質をとるにも、油を使うことの多い肉料理に対し、豆腐料理なら脂質も少なく、低カロリーで食べられる。さらに水切りすれば、ぎゅっと凝縮できるから、たくさん食べやすい。1/2丁(150g)の木綿豆腐で108kcal、たんぱく質は9.9g。
2 大豆は内臓脂肪をつきにくくさせてダイエットにいい
大豆たんぱく質には、血液中の余分なコレステロールや中性脂肪を抑える働きがあり、その中でもβコングリシニンが内臓脂肪をつきにくくすることが分かっている。動物実験では、肥満を防ぐ善玉ホルモンの分泌を促すという研究報告もある。
肥満の男女95人を2群に分け、一方は大豆たんぱく質中の成分βコングリシニン入りのアメを、もう一方は乳たんぱく質入りのアメを摂取。20週間後、βコングリシニン入り群では内臓脂肪が減っていた。(J Atherosclerosis Thromb 13,247-255,2006)
3 大豆たんぱく質とイソフラボンで美肌効果
イソフラボンは肌のシワを改善し、弾力を高める。さらに、大豆たんぱく質も美肌作用を発揮。動物を使った研究では、肌の角質層にあるセラミド量は、大豆たんぱく質を食べたほうが乳たんぱく質を食べたほうより多い傾向にあった。
~朝食にたんぱく質ONできる万能豆腐ペースト~
豆腐料理のおいしさは水切りが決め手
豆腐料理といっても、冷奴や麻婆豆腐などマンネリになりがちでは? そこで、毎日飽きずに食べられるレシピを、豆腐料理の著書を持つ、食生活アドバイザーの汲玉(きゅうぎょく)さんが考案。
「豆腐料理をおいしく仕上げるには、しっかり水切りするのがコツ」と、汲玉さん。豆乳をにがりで固めた豆腐は、「水切りしてもたんぱく質などの栄養は、ほとんど流失しない」(卓さん)ので、ご安心を。
豆腐ペーストなら朝食にもピッタリ。「蒸し野菜のあえ衣やスティックサラダに合わせるのもお薦めです」(汲玉さん)。
材料(2人分)
木綿豆腐1/2丁
アボカド1/2個(120g)
ワサビ小さじ1/2
醤油小さじ1
レモン汁小さじ1
塩少々
作り方
1. 木綿豆腐は水切りする(下記参照、以下同)。アボカドは種を除き、ざく切りにする
2. 1とワサビ、醤油、レモン汁、塩をミキサーかすり鉢に入れ、なめらかになるまで混ぜる。ボウルで混ぜてもよい。
【梅ペースト】
材料(2人分)
木綿豆腐1/2丁
梅干し(種を除く)20g
ゴマ油大さじ1/2
みりん小さじ1
醤油少々
作り方
1. 木綿豆腐は水切りする。梅干しは30分ほど水につけて塩抜きをし、ペーパーなどで水分をふきとる。
2. 1とゴマ油、みりん、醤油をミキサーかすり鉢に入れ、なめらかになるまで混ぜる。ボウルで混ぜてもよい。
水切りはざると電子レンジを使えば時間短縮に
木綿豆腐の水分を切ると、たっぷり食べられ、調理しやすい。ざるを使う場合は約20分が目安。ペーパーなどで覆い、重しをする(右写真)。電子レンジを使う場合は、耐熱皿に豆腐を入れてラップをかけずに温め(500Wで約2分)、表面の水分をペーパーなどでふく。
※調理時間に、豆腐の水切り、梅干しを水に浸す時間は含まれていません。
~夕食でボリューム満点 豆腐おかずレシピ~
下味をつけると仕上がりのおいしさアップ
夕食にプラスするなら、食べ応えのある主菜にアレンジ。簡単に作れる「ホイル焼き」と「ショウガ焼き」を紹介しよう。
豆腐は、そのままだと独特のにおいがあり、味わいも淡白。そこで、「炒めたり、焼いたりする前に豆腐に塩や醤油で下味をつけると、おいしさがアップします」と汲玉さん。合わせ調味料に漬け込んだショウガ焼きは冷めてもおいしく、お弁当にも使えるから重宝する。
材料(2人分)
木綿豆腐1丁
長ネギ1本
シメジ50g
だし昆布5cm角
酒大さじ1
バター大さじ1
醤油少々
塩・コショウ少々
作り方
1. 木綿豆腐は水を切り、半分の長さに切ってから厚さも1/2に切り、塩・コショウをまぶす。シメジは石づきを取ってほぐし、熱湯を回しかけ、塩少々(分量外)を振る。長ネギは2cmの長さで斜め切りにする。
2. 長さ30cmのアルミホイルを2枚用意し、バター半量をそれぞれ塗る。だし昆布を敷いて、1の木綿豆腐、シメジ、長ネギの順にのせ、酒を振りかける。残りのバターを散らし、ホイルの口をしっかり閉じる。
3. オーブントースターで約15分焼き、ホイルを開いて醤油で味を調える。
【豆腐のショウガ焼き】
材料(2人分)
木綿豆腐1丁
ショウガ(すりおろし)
小さじ1
醤油大さじ2
酒大さじ1
バルサミコ酢
大さじ1/2
ハチミツ大さじ1
作り方
1. 木綿豆腐は水を切り、長さと厚さを1/2に切る。
2. バットなどに入れて混ぜ、ペーパーで水分を軽くふいた1の木綿豆腐を30分漬け込む。
3. 魚焼きグリルかオーブンで両面にこんがり焼き目が付くまで約10分焼く。
最後は、箸休めにいい、豆腐たっぷりサラダ。練りゴマの香りとコクが、豆腐とひじきのおいしさを引き立てる。
材料(2人分)
木綿豆腐1/2丁
ヒジキ(乾物)5g
ミニトマト5個
タマネギ中1/4個(50g)
白練りゴマ大さじ1
味噌小さじ1
オリーブオイル
大さじ1/2
作り方
1. 木綿豆腐は水を切り、塩少々(分量外)を振る。ヒジキは水で戻して熱湯を回しかけ、ざるなどで水分を切る。ミニトマトはざく切り、タマネギはみじん切りにする。
2. ボウルに入れて混ぜ、手でちぎった1の木綿豆腐、ヒジキ、タマネギ、ミニトマトをさっと混ぜる。
豆腐の中でもたんぱく質が多い高野豆腐をふりかけ風に
高野豆腐(凍り豆腐)は、日持ちがして使い勝手も抜群。1切れで豆腐1/2丁のたんぱく質がとれる優れものだ。そぼろにすれば冷蔵庫で2~3日は保存できる。焼き野菜やお浸し、冷奴のトッピングにしてもおいしい。
材料(2人分)
高野豆腐30g
カツオ節ひとつかみ
サラダ油小さじ1
水100ml
ショウガ(すりおろし)
小さじ1/2
醤油大さじ2
酒大さじ2
みりん大さじ1
作り方
1. 高野豆腐はたっぷりの水で戻す。水けを絞って手でちぎり、フードプロセッサーに粗くかける。
2. フライパンにサラダ油を入れて温め、高野豆腐を中火で1分ほど炒める。
3. 2に水とAを加え、中火で5~6分、そぼろ状になるまで炒める。カツオ節を振り入れ、ホロホロになるまで水分をしっかり飛ばし、いり煮する。
汲玉(きゅうぎょく)さん
旬の食材を使った健康レシピなどの開発、編集を行う。サイト「スローダイエット.com」主宰。著書に『The豆腐─手軽においしい! 毎日おいしい!! ヘルシーダイエット!!!』(笠倉出版社)など多数。
(ライター 松岡真理)
[日経ヘルス2013年5月号の記事を基に再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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