「4強」対決間近の電子書籍リーダー、手に取るのは誰

米国と比べると、日本では普及が進んでいない電子書籍リーダー市場に、“黒船”が襲来する。年内に、米アマゾン・ドット・コムの「Kindle Touch(キンドル タッチ)」と、楽天が買収したコボ(カナダ)の「Kobo Touch(コボ タッチ)」が上陸する見通しなのだ。これら海外勢の電子書籍リーダー2機種と、迎え撃つ国内大手ソニーの「Reader(リーダー)PRS-T1」、高精細なカラー液晶を搭載した米アップルのタブレット端末「新型iPad」の実力を探った。
図1 電子書籍は、タブレット端末と電子書籍リーダーのどちらで読みたいか。写真左から、アップルの「新型iPad」、ソニーの「リーダーPRS-T1」、コボの「コボ タッチ」、アマゾン・ドット・コムの「キンドル タッチ」

今、最も注目を集めている電子書籍リーダーが、アマゾンのKindle(キンドル)シリーズだ(図1図2)。当のアマゾンは日本での発売時期についてノーコメントを貫いているが、ハード、ソフトともに日本向けサービスへの対応が進みつつあり、今年(2012年)中にはサービスを開始するもよう。第1弾端末はモノクロの電子ペーパーを採用した「キンドル タッチ」が有力視されている。

端末の仕様を見る限り、日本ですでに発売済みのソニー「リーダー PRS-T1」との違いは少ない。それにもかかわらず、電子書籍リーダー普及の起爆剤になると予想される理由は、その価格にある。ソニーのリーダーは日本語コンテンツを豊富にそろえ、現状では国内最良の端末といえるが、価格は2万円前後。一方、キンドル タッチは米国では139ドル(約1万1100円、1ドル=80円換算)で、仮に同じ価格で上陸すれば、約4割も安い“激安端末”になる。

破格値のキンドル タッチ、楽天流を注ぎ込むコボ タッチ

なぜ、そんな破格値で販売できるのか。それは、端末とコンテンツ販売が一体になったビジネスモデルだからだ(図3)。アマゾンの主眼はコンテンツを売ることで、端末で利益を得ようとは考えていない。原価に近い価格で提供し、1台でも多くの普及を狙っているのだ。

図2 iPadに比べ、大半の電子書籍リーダーは小さく軽い
図3 2万円以下で買える格安端末が上陸  米国では139ドル(約1万1100円)という安さで普及しているアマゾンの「キンドル タッチ」が、年内には日本でも発売される見込み。楽天はそれに先行する形で、傘下に収めたコボ(カナダ)の端末をほぼ同価格で販売する予定だ。両社ともコンテンツ販売も一体で手がけるのが特徴。端末の普及を優先させるため、端末価格は原価ギリギリか原価割れの水準に設定。コンテンツの販売でそのコストを回収するビジネスモデルを取る。

来るキンドル上陸に備え、大きな動きを見せているのが楽天だ。同社の鈴木尚常務は、「新たな電子書籍サービス『Kobo(コボ)』をスタートさせる。キンドルが日本で発売されるより早く始めたい」と意気込む。

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アップルは電子書籍を日本では販売せず
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