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子どもの学び

白百合学園 難しい計算ではなく頭の整理が必要な算数 入試問題でわかる 名門中学が求める子ども(7)

2014/2/20

入試問題は、いわば「わかる子にだけわかる暗号」。正解に至るための暗号を一つひとつ解いていけば、そこに込められた学校からのメッセージが見えてくる。そして、受験生たちはその暗号を解くために、勉強をしているといえる。本企画では、毎回1校に、実際の入試問題に込めた狙いを聞く。そこから、各校の学力観・教育観を明らかにしていく。
白百合学園中学高等学校

今回紹介するのは、東京都千代田区にある白百合学園中学高等学校(以下、白百合)。

創立は1881年。130年以上の歴史をもつ女子伝統校。カトリック系で規律が厳しめであることで知られる。

千代田区のキャンパスには幼稚園から高校までが隣接し、一貫教育を行っている。白百合女子大学とは系列校の関係。湘南白百合をはじめとする姉妹校も全国にある。

隣接する小学校から中学への進学者は120人弱。2月2日の一般中学入試を経て外部から入学するのは約60。筆記試験のあとに、生徒と保護者への面接試験もある。そのほかに海外帰国生枠が12人程度ある。

数学科の板垣知子教諭に同校の算数の入試問題の特徴について聞いた。

「一見するだけでは、○○算というような解法がすぐにはわからないような問題を必ず出すようにしています。持っている知識をただあてはめるのではなく、自分の知っている解法を組み合わせて、その場で新しい解法を組み立て、正解に近づいてほしいという思いがあります。またそれを単なる数字の操作ではなく、日常生活中の身近なトピックの形にして出題します。過去問を解いたり、実際に入試を受験したりする中で、算数や数学は単なる数字の操作ではなく、日常生活の中で利用できるものであることに気付いてほしい意図があります。解答欄には式を書くスペースが十分にあります。丁寧に式を書くことは、自分の考えを他人にわかりやすいように表現すること。その力もしっかり評価し、部分点を付けています」

■自分の思考の足跡を式としてわかりやすく残す

2010年の大問5は、焼肉店が舞台になっている。

右(ここでは下)の表はある焼肉屋のメニューです。この焼肉屋がカルビ、ロース、タン塩をそれぞれ12kgずつ仕入れて、今日の売り上げを考えています。

ただし肉は1皿分に満たない量が残ることはよいが、用意した肉はすべて売り切るものとします。

<メニュー>

●カルビ 1皿(90g) 1200円

●ロース 1皿(80g) 900円

●タン塩 1皿(90g) 1300円

●盛り合わせ 1皿 2000円

盛り合わせの内容は…カルビ60g・ロース60g・タン塩75gお得です!限定!

(1) 用意した肉をすべて単品の皿だけにして売ると、売り上げはいくらになりますか。

まず、カルビの売り上げがいくらになるかを計算してみよう。

仕入れた12kgの肉を1皿90gずつにするのだから、

・12kg=12000g

・12000g÷90g=133皿あまり30g → カルビは133皿取れて30g余る

カルビ1皿は1200円だから、

・1200円×133皿=159600円 → カルビの売り上げは159600円

同様に、ロースは、

・12000÷80=150 → ロースは150皿取れる

・900×150=135000 → ロースの売り上げは135000円

タン塩は、

・12000÷90=133あまり30 → タン塩は133皿取れて30g余る

・1300×133=172900 → タン塩の売り上げは172900円

合計すると、

・159600+135000+172900=467500 → 総売上は467500円

よって答えは467500円となる。

「これは単純な割り算とかけ算の問題です。当校の入試の算数では、単純な計算問題は出題していません。その代わり、文章題の中で、このような形にして基礎的な計算力を見ています」と板垣教諭。

また、このとき、全部売り切った場合、余りの肉がカルビ30g、タン塩30gのみであることも重要なポイントになってくる。

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