菌の総量は1.5キロ 肝臓並みの重さ

菌は、腸のどこにすみついているのだろう?

「腸の内視鏡写真で粘膜がヌメッとしていますね。あのねばねばが菌のすみか。菌の総量は1人分で1.5キロほどです」

この重さは肝臓とほぼ同じ。肝臓は人体最大の臓器とされているが、腸内細菌の総重量はそれと同等だ。また肝臓は、数百~数千種類の化学反応を行っているといわれるが、腸内細菌も全部で1000種類もいるわけで、同じぐらい多種類の働きをしている可能性が高い。つまり腸内細菌は、肝臓に匹敵する体内最大級の“臓器”なのである。

菌の食べ物は、腸内を進んでくる消化物。菌ごとに好みが決まっていて、特定の菌はほぼ特定の成分を食べる。その菌の排泄物は別の菌の食べ物になる。その排泄物をまた別の菌が食べ、それをまた次……といった具合に、1000種の菌は食べ物の連鎖でつながっている。

連鎖の過程で発生する成分の一部が腸から吸収されて、体の健康に影響を与える。良い影響なら「善玉菌」、悪い影響なら「悪玉菌」と呼ばれるわけだ。

「このほか、“日和見菌”と呼ばれるグループもいます」。日和見菌はその名の通り大勢に流れる性質の一群で、善玉菌が強いときはおとなしいが、悪玉菌が強くなると一緒になって悪さをし始める。数の上ではこれがもっとも多く、全体の約7割を占める。「3群の比は2対1対7ぐらいが理想。そんな状態なら、黄色がかったバナナ状のウンチがつるりと出ます」

[右]腸内の菌は、摂食と排泄の連鎖でつながっている。ある菌が元気なのは、別の菌がエサを提供するから。その意味では、すべての菌がお互いに必要としあっている。分泌物の一部は腸に吸収される [左]「善玉菌」と「悪玉菌」は、合わせて30%ほど。残りの70%は「日和見菌」。善玉菌が優位なら日和見菌もおとなしく、腸内は平静。悪玉菌が増えると、日和見菌も悪さを始める
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菌バランスによって“体質”が変化する