ワーキングマザーと草食男子がバッシングされる理由

2013/11/19
終身雇用制度が崩れ始め、誰もが「自分らしい働き方」を模索する時代がやってきました。私たちの働き方はこれからどのように変わっていくのでしょうか? コラムニスト・編集者の深澤真紀さんに、過熱するワーキングマザー批判現象の背景について聞きました。

近年、「働き方」をめぐる議論が広く一般になされるようになってきました。「ノマドワーカー」や、「クラウドソーシング」、「パラレルキャリア」など、新しい働き方を示す言葉もぞくぞく生まれています。メディアなどでこれらの言葉を耳にしたことがある方も多いことでしょう。

女性誌だけでなくビジネス誌でも「女性の働き方」や「ワーキングマザーの活用」といったテーマが取り上げられるようになったのは最近の一つの傾向です。ただ実際は、子育てによって時間的拘束のある「ワーキングマザー」を会社にとっての「お荷物」と表現するなど、ある意味「バッシング」に近い報道も少なくありません。

「ワーキングマザー」批判と「草食男子」バッシングの共通点

こうした報道を目にすると、私は以前、「草食男子」に対して行われた“バッシング報道”を思い出します。「草食男子」とは、私が2006年に日経ビジネスオンラインで初めて使った表現です。のちに流行語大賞のトップテンに入るほど一般に広く流通した言葉となりましたが、実はこの言葉は私の当初の意図とは違う意味合いで世の中に広まってしまいました。

私は当初、変化が激しくともすると生きるのが難しい今という時代を、「ほどよく」生きていこうとする古くて新しい男らしさを持った存在……として若い男性の中の傾向を表現したのです。決してネガティブな意味ではなく、新しくて面白くて素敵な存在として言い表したのが「草食男子」という言葉でした。ところが実際には全く逆の意味でとらえられてしまいました。

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批判報道は、うまくいかない社会が生んだ「もどかしさ